北朝鮮が「ほほえみ外交」を展開する中で、改めて「核強国」ぶりを強調した。
2月16日は故・金正日総書記の誕生日「光明星節」にあたり、2018年の「光明星節」では朝鮮労働党の機関紙、労働新聞が長文の社説を掲載。その中で、北朝鮮が「国家核武力建設で歴史的勝利を達成」したことは正日氏の「不滅の革命業績」と不可分で、「核強国としての威容をより高くとどろかせなければならない」と主張。改めて核開発を加速させる考えを表明した。
「国家核武力建設」は正日氏の「不滅の革命業績」と不可分
北朝鮮の国営メディアによると、正恩氏と党幹部は日付が変わった直後(現地時間、日本時間0時30分)に、正日氏の遺体が安置されている平壌の錦繍山(クムスサン)太陽宮殿を訪問。正恩氏は正日氏の遺体の前で「最も敬けんな気持ちで崇高な敬意を表し、謹んであいさつした」という。
労働新聞は訪問の様子を写真つきで1面トップで報じ、社説で正日の業績をたたえた。北朝鮮が17年に相次いで発射した「大陸間弾道ミサイル(ICBM)」や、「火星●●」といった名詞こそ登場しなかったものの、「核」の文字は複数回登場した。具体的には、
「今日、私たち共和国が国家核武力建設で歴史的勝利を達成し、社会主義の勝利の頂に向かって疾風怒涛(どとう)の勢いて突き進んでいることも、偉大な将軍様(=正日氏)の不滅の革命業績と一つに結びついている」
「偉大な将軍様の精力的な指導があったからこそ、私たちの国が不敗の軍事強国、堂々とした核保有国になった」
といった具合で、正日氏の指導や業績があったからこそ北朝鮮が「核武力」を備えたことを主張する内容だ。
「党の路線と政策を決死貫徹しなければならない」
社説では正日氏の業績を正恩氏のもとで加速させるべきだとも主張した。
「偉大な将軍様の先軍革命業績を輝かせ、世界最強の核強国、軍事強国としての威容をより高くとどろかせなければならない」
「全党と全社会に敬愛する最高指導者同志(=正恩氏)の唯一的指導体系をさらに徹底的に確立し、党の路線と政策を決死貫徹しなければならない」