平昌五輪のアイスホッケー女子1次リーグ第3戦、日本対韓国・北朝鮮(南北)合同チームの試合は、プレーの激しさも含めて大きな注目を集めた。
試合は第2ピリオドからいっそう白熱し、日本選手が後ろから倒されるシーンも。インターネット上では「ラフすぎね?」という声が続出したが、アイスホッケーファンからは「あの程度だったら普通」との声も少なくない。
背後から突き倒し...
試合は2018年2月14日に行われ、開催地・韓国や北朝鮮の応援が会場を埋め尽くした。「アウェー」の中で行われた一戦ながら、日本は第1ピリオド2分、エースの久保英恵がいきなり先制点をあげてリズムをつかんだ。
すると南北合同チームは同3分、背後から日本選手を両手で突き倒すように押すクロスチェッキングの反則。アイスホッケーの女子の試合ではボディチェック(体当たり)が禁止されており、一時的に1人少ない状態で試合を進めるパワープレーの時間となる。このチャンスを逃さずに同4分、小野粧子がゴール。開始早々に2点リードする展開となった。
第2ピリオドからプレーは激しさを増し、10分に南北チームが1点を返すと勢いづいた。同11分には日本側のゴール裏で、両チーム複数の選手によるパックの取り合いになり、その中でイ・ジンギュが床(とこ)秦留可を突き押すと入り乱れて一時、一触即発の状態に。レフェリーが間に入って引き離し、イ・ジンギュをなだめている。
同16分には南北チームのゴール前で混戦。久保がシュートを打ちに行くと笛が鳴ったが、フォローに入っていた床の背中からファン・チュングムが右腕で押し倒した。
さらに20分には激しいタックルで中村亜実が転倒。イリーガルヒットの反則で南北チームにペナルティが科せられた。終了間際にも日本のシュートを南北チームが防いで笛が鳴ったあと、ゴール前に詰めていた小野粧子が背後から突き倒された。
「マジで乱闘」「安心して」
第3ピリオドで2点を追加した日本が4-1とし、五輪での歴史的初勝利を飾ったが、ツイッター上では南北チームが「ラフすぎないか」と指摘する声が相次いだ。
「あれマジで乱闘よな」
「ちょっと合同チーム、プレーがラフすぎね?めっちゃ突き飛ばしてるしひじ入れてるしなんなのあれ」
「日本勝ってるけどこの間のスイス戦の方が観ていて楽しめたな...」
「合同チームのプレーめっちゃ荒くない!? さっきから日本選手のこと押しすぎじゃないー?」
ただ、「氷上の格闘技」と呼ばれるアイスホッケー。特に男子の試合では乱闘騒ぎになるシーンも珍しくないほど、激しいプレーは頻繁にある。実際に今回の試合の中でも、逆に日本選手のボディチェックがファールを取られ、一時的に退場する場面もあった。 日本では決してメジャースポーツとは言えず、馴染みのあるユーザーは多くはなかったようで、逆に試合を見慣れていると思われるユーザーからは、
「突き倒した程度でギャーギャー騒いでたらやってられんぞ」
「なんも特別ラフな試合とかじゃ無かったよ?あの程度だったら普通」
「広い意味でそれもアイスホッケーの一部だし、ホッケーってそういうもんだから、安心して下さい、って感じ」
と冷静な見方も複数出ていた。
なおこの試合は、観客席の「旗」をめぐっても物議をかもした。中央日報(日本語版)や読売新聞の14日の報道によると、来場者が応援に使用していた朝鮮半島の統一旗には、日本の竹島が描かれていた。南北チームはスウェーデン戦でも竹島入りの旗を振っていたが、国際オリンピック委員会(IOC)は会場に掲げる統一旗について竹島が描かれている物の使用を認めていない。