平昌五輪ノルディック複合個人ノーマルヒルで、解説の荻原健司氏が放った言葉に実況・曽根優アナウンサーの「返し」が見事だと称賛された。
2018年2月14日の同種目では、渡部暁斗がソチ五輪に続き2大会連続の銀メダルを獲得した。その時、中継したNHKの放送席でなされた会話とは――。
「いやいや、ナンバーツーは汚名ではありませんね」
前半のジャンプを3位で折り返した渡部は、同5位のエリック・フレンツェルと後半のクロスカントリーで熾烈な優勝争い。最終盤のスパートで一歩及ばなかったが、銀メダルに輝いた。2人はソチ五輪に続くワンツーフィニッシュだった。
中継で解説した荻原健司氏(92年アルベールビル五輪、94年リレハンメル五輪でいずれも団体金メダル)は、「2大会連続の銀メダル、渡部暁斗君、これは立派なものですよ。4年経ってもこの2人というのも本当にすごいことですよ。良い戦いを見せてもらったなと思います」と健闘を称え、「私は解説しながら感動してしまっています」と興奮気味に話した。
荻原氏は「W杯世界ランキング1位の渡部君ですから、日本のみならず世界中から大きな期待を受け、大変なプレッシャーだったと思います。それを跳ね除けて自分のやることに集中できた、そんなノーマルヒル個人戦の戦いぶりでした」と総括した。
だが、
「まあ残念ながらなんですけど、『ミスター・ナンバーツー』の汚名返上とはなりませんでしたけども、でも考えてみれば世界第2位ですから」
とも発言。するとすかさず、実況の曽根アナがやや苦笑いしながら
「いやいや、ナンバーツーは汚名ではありませんね」
とフォローに入った。
こうした2人の会話にはツイッターやネット掲示板上で
「ナンバー2汚名じゃねぇ」
「渡部選手に失礼ではないか!二位でも立派な成績だよ」
「汚名?汚名返上とか意味わかんない。胸張ってください!」
「アナウンサー様、ぐっじょぶ」
「NHKの実況の人が『2位は汚名ではありませんが』ってさり気なくフォローしてたのが良かった」
といったコメントが続々と寄せられていた。