配信写真に「合成説」が絶えない北朝鮮国営メディアは、やはり画像編集ソフトの「Photoshop(フォトショップ)」を愛用しているようだ。
労働新聞のウェブサイトに2018年2月13日、通常なら公開されない高解像度の写真がアップロードされ、その画像情報に「Adobe Photoshop 7.0」の文字が残されていた。この「7.0」は2002年発売。この画像情報が意図的に改ざんされていないとすれば、北朝鮮では15年も前のソフトが現役で活躍していることになる。
拡大すれば楽団員の顔がはっきり分かるほどの解像度
労働新聞のウェブサイトでは、HTMLのページと紙面をPDF化したファイルの2つの方法で記事を読むことができる。HTML版の記事ページには朝鮮中央通信のクレジットが入った写真が掲載されることもあるが、通常は写真のサイズは100KB以下だ。
2月13日付の労働新聞1面には、朝鮮労働党の金正恩委員長が正恩氏の妹で党第1副部長の与正(ヨジョン)氏から訪韓の報告を受ける様子と、正恩氏が玄松月(ヒョン・ソンウォル)氏率いる三池淵(サムジヨン)管弦楽団と面会する様子の計2枚の写真が掲載された。写真のアップロードの手順を誤ったのか、この2枚に限ってはサイズがそれぞれ6.18MB、7.54MBと大きく、拡大すれば多数いる楽団員一人ひとりの顔がはっきり分かるほどの解像度の高さだった。この2枚には「Exif(イグジフ)」と呼ばれる画像情報の一部が残っており、そこに「Adobe Photoshop 7.0」の文字が残っていた。主に右下にある朝鮮中央通信のロゴを入れるために使用されたとみられる。
なお、労働新聞のPDFファイルの情報には「Adobe Photoshop CS2 Windows」の文字が確認できる。このバージョンは05年発売。やはり「10年選手」だ。