中西経団連と安倍政権の「距離」に影響? 日立の原発と輸出政策

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   経団連の次期会長に日立製作所会長の中西宏明氏が内定した。正式には2018年5月31日の経団連定時総会で選出される。住友化学工業、東レと2代続けて売上高2兆円と『小粒』な企業出身の会長が続いた後の、久々の売上高10兆円企業出身という「本格政権」とあって、期待を集める。もちろん、政治との距離など、難しい課題もある。

   中西経団連を、大手紙は大きな紙面を割いて報じている。社説、一般記事を通じて各紙に共通するのは、経営者としての手腕への評価と期待だ。

  • 経団連・新会長に求められるもの(画像はイメージ)
    経団連・新会長に求められるもの(画像はイメージ)
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「V字回復を果たした経営手腕」への高い評価

   社説(産経は「主張」)で取り上げた日経、毎日、産経をみてみると、2010年から日立社長を4年間務め、リーマン・ショック(2008年)を受け7000億円超の当時として製造業最大の赤字に陥った経営の再建に、前任の社長の川村隆氏とともに取り組み、「大胆な改革でV字回復させた」(毎日1月11日社説)のは記憶に新しい。「『沈みゆく巨艦』ともいわれた日立を再生させた手腕への評価は高い」(日経1月10日社説)、「リーマン・ショック後に大幅赤字に陥った日立を大胆な事業再編などで再建し、V字回復を果たした経営手腕への評価は高い」(産経12日主張)と、ほとんど同じ言い回しが、各紙の紙面に踊った。

   この手腕を経団連会長としても発揮することへの期待であり、「財界の新たな舵(かじ)取り役として、その力を存分に発揮してほしい」(産経)ということに尽きる。

   そのうえで、具体的に、各紙、いくつかの点を指摘する。経営改革を強調して『らしさ』を見せるのが日経だ。「経団連会長として中西氏に期待されるのは、(日立再建で見せた)そうした自律的な成長をめざす気風を経済界に広めることだ。...(略)...上場企業は18年3月期に最高益を更新する見通しだが、...(略)...手元資金は上場企業だけで100兆円を超えるまでに積み上がっており、成長投資は不十分だ。中西経団連は企業統治を含めた経営改革の旗振り役になってもらいたい」

   「IT(情報技術)分野に詳しい中西氏の起用は時代の動きを映したもの」(日経)との指摘も目立ち、毎日は「有望な成長分野である人工知能(AI)などの推進に向け、ITに精通した中西氏への期待は大きい」と書いている。

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