聞かなくなった「自分たちのサッカー」
――4年前に選手たちがよく言っていた「自分たちのサッカー」という言葉が、良い意味でなくなってきたように感じます。今の代表選手たちのメンタルについてどう感じますか。
都並 「横綱相撲」は取れませんからね。でも今のチームを見ていると、「自分たちのサッカー」が3~4割ないとダメですよ。まるっきり「監督さんのサッカー」になっちゃってる。「監督6:自分たち4」くらいのバランスが大事で、主張もしないといけません。
日本の選手はこだわりが薄くなってます。「俺が出るんだ」ってみんなが思って準備しないと。「謙虚さ」と「忠実さ」は世界一だからストロングポイントとして持っておいて、「図々しさ」が大事です。強豪ほどハングリーで「ずる賢い」。グラウンドの中だけ「嫌な奴」になってほしい。
カズ(三浦知良)はそういう人で、グラウンドの外では人格者、でもグラウンドではパスを出さずにシュートして外しても「ごめん」なんて言わないし、プライドの塊みたいな人ですよ。本田も若いころそうでした。
それが良いものを生むんだと思います。続けていけば強い相手にビビらないし、揺るがない自信となります。サッカーはとにかく自信がすべてを変えるんですよ。
【ロシアW杯グループリーグH組 テレビ放送日程】
日本 対 コロンビア 6月19日21時 NHK
日本 対 セネガル 6月24日24時 日本テレビ
日本 対 ポーランド 6月28日23時 フジテレビ
【都並敏史氏プロフィール】
つなみ・さとし。ブリオベッカ浦安・テクニカルディレクター。サッカー解説者、指導者(日本サッカー協会公認S級ライセンス)。1961年8月14日、東京都生まれ。
選手時代のポジションは主に左サイドバック。1980年から読売サッカークラブ(後のヴェルディ川崎、東京ヴェルディ)に入団。Jリーグ黎明期のヴェルディ黄金時代を築いた。日本代表には1980年に当時19歳でデビューし、通算157試合出場、2得点。1998年の引退後はベガルタ仙台、セレッソ大阪、横浜FCで監督を歴任。現在、主に日本テレビのサッカー中継などで解説を務める。