会議での「眉間のしわ」で知られる  ソニー吉田次期社長の「次の一手」

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   ソニーは2018年2月2日、平井一夫社長(57)の後任に吉田憲一郎副社長(58)が4月1日付で昇格するトップ人事を発表した。平井氏は12年4月に社長兼最高経営責任者(CEO)に就任して丸6年。V字回復を果たし、18年3月期に7200億円と過去最高の営業利益をたたき出す見通しとなったことを花道に、吉田氏にCEO職も譲り、自身は「代表執行役」も外れる会長に就く。

   在任6年はそれなりに長い年月ではあるが、まだ50代でソニーの再成長に向けてもう一踏ん張りしてもおかしくないなかで「社長兼CEO」を退く『潔さ』は、日本の大企業には珍しい。

  • ソニー新社長の次の一手(画像はイメージ)
    ソニー新社長の次の一手(画像はイメージ)
  • ソニー新社長の次の一手(画像はイメージ)

「好業績で新しいCEOにバトンを渡せる」

「社長に就任して2回目の中期経営計画の最終年度に目標を上回るめどがつき、好業績で新しいCEOにバトンを渡せる。新しい中期経営計画が始まるこのタイミングで、新しい経営体制にバトンタッチすることが今後のソニーにとって、また私自身の人生の次のステージに向けても適切だと考えた」

   2017年4~12月期連結決算の説明会に先立って急遽、東京都内で開かれた記者会見で、平井氏は退任理由をこう語った。社長就任当初は黒々としていた髪も、かなり白さが目立つようになり、老人に近い風貌だ。記者会見であえて「私自身の人生」を持ち出したところが普通の日本企業の社長にはないことで、平井氏の思いの一端が見える。

   「会長としてどのように経営に関わるのか」との質問には、「トップは吉田新社長。私はエンターテインメントやゲームなどでアドバイスしたりする。あくまで(新トップを)補佐する役割だ」と強調した。日本の企業では、「社長を後進と交代する」と言いながら代表権を持ったまま「会長兼CEO」として経営の実権を握り続ける例は枚挙にいとまがない。一概にそれが悪いわけではないが、『老害』といえる状況もある。その点、平井氏は本気でトップ交代を果たすつもりのようだ。

   平井氏は、国際基督教大学(ICU)出身の帰国子女で、英語はネイティブ同様にこなす。180センチ超の高身長になかなかのイケメン。海外では「カズ」の愛称で慕われている。社長就任後も、米国などで、英語でプレゼンテーションをする時は、こなれたカジュアルな服装で日本人離れした生き生きとした姿を見せた。

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