物販イベントの客、「障害者の妹が買った」からと返金要求...ウソと判明、動機は「転売スクールの課題」

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「刑法上の詐欺罪が成立する可能性」

   最初から転売目的で商品を購入する場合、刑事責任を問われる可能性がある。弁護士法人・響の天辰悠(あまたつ・はるか)弁護士はJ-CASTニュースの取材に、

「転売目的の購入を禁止している販売者から、本当は転売目的であるのにそれを秘して購入した場合は、刑法上の詐欺罪が成立する可能性があります。現に、利用規約に反して転売目的でチケットを購入し、有罪判決を受けた例があります。今回の事例だと、販売者が転売目的での購入を禁止していたか、即売会主催者が転売目的での参加を禁止していたという事情があれば詐欺罪となり得ます」

と答えた。

   JISSはECサイトで公表している利用規約の中で、利用者・購入者に対する「禁止事項」(9条)を列挙しており、そこにこんな定めがある。

「本サービスを通じて入手したコンテンツを利用者または購入者が私的使用の範囲外で使用する行為」(4号)
「他の利用者、または他の利用者以外の第三者を介して、本サービスを通じて入手したコンテンツを複製、販売、出版、頒布、公開する行為およびこれらに類似する行為」(5号)

   これが「転売目的の購入を禁止している」状態にあたるかどうか。天辰弁護士は

「あくまでオンラインストア上の利用規約なので、対面販売でも同規約の効力が及ぶかどうかは見解がわかれるでしょう」

としていた。あたると言えるためには、

「禁止されていることが、利用者にわかる状態かどうかがポイントになります。たとえば、チケットであれば購入時に利用規約がWeb画面に表示されたり、裏面に禁止事項の記載がされています。今回であれば、即売会の入場券やチラシに転売目的での入場を禁止する文言が入っていれば、詐欺罪になり得るでしょう」

とのことだった。イベントとして転売目的の購入を禁止しているか、主催のデザインフェスタ社に問い合わせたところ、「各出展者の判断に委ねている」という。

   天辰弁護士は、詐欺罪の他に検討されるものとして「転売には古物営業法上の許可が必要ではないかとの指摘もあり得るのですが、転売目的で購入した新品(一度も使用されていないもの)は古物営業法上の『古物』にはあたりませんので、今回の事例では古物営業法違反とはなりません」とも話している。

   そして、「転売スクール」の看板を掲げて転売方法を指南する行為について、

「スクールの開設行為自体を取り締まる規制はないといえます。ただ、スクール生が詐欺行為や古物営業法上の違反行為を行った場合は、講師が共犯者として立件される可能性があるでしょう」

と話していた。

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