「転売スクールで学び、課題の一環で転売」
その後、状況は一変した。森さんはツイッターで6日、「商品の返品・返金はキャンセルとなりました」「障害者云々の話も嘘で、Bさん(編注:客)のなりすましでした」と報告したのだ。この客は、
「転売スクールで学び、課題の一環で転売」
しようとしたという。
この間、一体どんなやり取りがあったのか。「転売スクール」とは何なのか――。J-CASTニュースは7日、メールを通じて森さんに取材した。
最初に問い合わせが届いたのは2月3日。これを読んだ森さんは「『明らかに誰が見ても障害を持つことが分かる子』を覚えているか聞きたくて、デザインフェスタで手伝いをした友人にまずメールの内容を見せ、相談しました」という。すると、「友人は覚えていないどころか、メールの内容を疑っていました」と明かす。同友人はこの客について「バイヤーさんのように商品について聞かれる方だった」「店頭に立っていた時の状況と、問い合わせ文章では矛盾している内容があるように思えた」と述べたという。
こうした事情から、客は転売目的でJISS商品をイベントで購入したものの、いざフリーマーケット等で転売しようとしたら買い手がつかず、購入先のJISSに返品・返金対応を願い出たのではないか――という疑念を募らせた。
森さんは客と折衝を重ねた結果、ツイッターの報告にあるように最終的に返品・返金はキャンセル。その中で、「内容の真偽はわかりませんが」と前置きしながら、こんなメールが届いたことを明かした。
「入校していたビジネススクール(転売スクール)の一環の行事で、あのデザインフェスタにスクール生達と行きました。スクールの課題では、転売ということだったのです。(中略)もちろんスクールの課題で購入したので、そのデザインフェスタで購入した商品が出品担当の講師の手により、一時期はネットにあげられておりました」
ネットで「転売スクール」を調べるといくつかヒットする。働きながら「副業」のように転売を行い、1品で30万の利益を得たり、月商100万円に達したりした受講生もいる、などの記述がある。受講料は高いコースで30万円を超える。JISSの客は具体的なスクール名を明かさなかったといい、やり取りした内容のどこまでが転売スクールで学んだものかも分からない。
J-CASTニュースは、「転売目的の購入品がもし一定期間転売できなかったら、元の購入先に返品依頼するように指南もするか」「その際、障害者を騙るなど具体的な交渉方法も指南するか」などについて、ある転売スクールに取材を試みたが、「担当者が出張中」として回答は得られなかった。