北朝鮮「ほほえみ外交」に手を貸している? 「美女応援団」過熱報道は「トイレ」まで

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   五輪開会式を2日後に控えた2018年2月7日、北朝鮮から「美女応援団」200人以上が韓国入りし韓国メディアの報道が過熱している。韓国を代表する通信社のはずの聯合ニュースは、サービスエリアのトイレで順番待ちする応援団の様子を配信して問題化した。

   そんな中でも、応援団は北朝鮮選手団の入村式でパフォーマンスし、北朝鮮国旗を見て涙を見せる団員も。多くは語らないが、「力を合わせて統一しましょう」といった政治的メッセージは笑顔で口にした。この様子を韓国メディアが報じるなど、早くも応援団を通じた「微笑み外交」が本格化している。

  • 北朝鮮から応援団が韓国入りするのは13年ぶりだ(写真は韓国統一省のツイッターから)
    北朝鮮から応援団が韓国入りするのは13年ぶりだ(写真は韓国統一省のツイッターから)
  • 北朝鮮から応援団が韓国入りするのは13年ぶりだ(写真は韓国統一省のツイッターから)

韓国入りは13年ぶり4回目

   応援団は全229人。北西部・都羅山(トラサン)の南北出入事務所経由で陸路から韓国入りした。北朝鮮の応援団が韓国入りするのは02年の釜山アジア大会を含めて4回目で、05年の仁川アジア陸上選手権以来13年ぶりだ。

   直後から韓国メディアは選手団の一挙手一投足を伝えた。赤いコートに黒の毛皮の帽子とマフラーでそろえた一団が報道陣の前に姿を見せると、メディアは一行を質問責めに。中央日報によると「全員平壌から来たのか」という質問には「2~3時間かけて来ました」と答え、団長らしき20代ぐらいの女性は笑顔で「お目に書かれてうれしいです」などと述べたという。同紙は、「当局が平壌の大学生などを中心に選抜したようだ」と伝えている。

   一行は9台のバスに分乗して宿泊先に移動。サービスエリアで休憩したが、各社はトイレの洗面台で化粧を直す様子を報じ、聯合ニュースは団員がトイレの個室前で順番待ちをする写真まで配信した。これはさすがに韓国メディアからも

「トイレまでついていった取材カメラ。北朝鮮応援団には人権すらないのか」(ソウル新聞)

といった批判が噴出し、聯合ニュースはウェブサイトから写真を削除した。

「気持ちがいい。朝鮮民族同士会えてうれしい」

   こういった過熱ぶりは、結果として北朝鮮の「ほほえみ外交」に手を貸しているとの批判も出そうだ。2月8日午前には北朝鮮選手団の選手村入村式が行われ、応援団も参加。

   通信社の「ニュース1」によると、「アリラン」など5曲を披露し、

「五輪旗に続いて国旗が掲揚された瞬間には、涙を見せる団員もいた」

という。この「ニュース1」の記事によると、

「公演と関連した取材陣の質問には親切に答えた。あえて口を閉ざさずに入村式公演を行った感想も伝えた」

と、応援団が口を開いたことを驚き気味に伝えている。この応援団が残した言葉は

「気持ちがいい。朝鮮民族同士会えてうれしい」
「力を合わせて統一しましょう」

といったものだった。

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