外交問題に集中し、政治とは徹底的に距離を置く処世術
では、なぜここまで「生き残る」ことができたのか。朝鮮日報は、消息筋の話として、
「3代に渡って要職を務めているが、一度も革命化(思想改造)されなかった数少ない人物」
だと伝え、その背景には「外交問題に集中し、政治とは徹底的に距離を置く処世術」があるという評価もある、とした。東亜日報も、韓国政府関係者の「能力というよりは処世術がそれだけ優れているということ」という声を紹介。02年と05年に平壌で金永南氏と会談したという丁世鉉(チョン・セヒョン)元統一相は、02年10月に北朝鮮の核問題をめぐって強く抗議した際、金氏は
「北朝鮮側の論理から一歩も外れないように注意している様子だった」
と振り返ったという。「失点のなさ」で失脚を避けられた可能性もありそうだ。