日本相撲協会の次期理事長は「八角親方の続投」と唱えた相撲記者2人に対し、タレントのフィフィさんが「ズレてるな」と真っ向から反論した。
2018年2月5日放送の「バイキング」(フジテレビ系)には、フィフィさんと、東京相撲記者クラブ会友の大見信昭氏、相撲レポーターの横野レイコ氏が出演。理事候補選挙を終えた協会が3月に迎える理事長選挙について、議論が起きた。
「見てください、顔ぶれ。他にいないじゃないですか?」
番組での「ズバリ、理事長になるのは誰か」という問いに大見氏は「八角理事長が続投だと思います」と即答した。横野氏は
「私もそう思います。見てください、顔ぶれ。他にいないじゃないですか?」
と同調した。
2月2日の理事選で当選したのは、八角、尾車、芝田山、春日野、出羽海、境川、山響、高島、鏡山、阿武松の10親方。元日馬富士の暴行事件における対応の責任から理事を解任されていた貴乃花親方は落選した。
不祥事が多発する相撲協会にあって、トップの理事長は事実上その再建を託される形となる。ただ、一連の問題への対応が後手に回っているとの指摘が少なくない執行部には不安視もされている。
そんな中で「八角理事長続投」を明言した相撲記者2人に対し、フィフィさんは語気を強めて、
「貴乃花さんは今回人望がなかったということで別にいいけど、『八角さんが理事長かもしれません』と言っちゃうところが、ズレてるなと思っちゃうんです。普通の社会だったらトップが責任取るでしょう」
と、大見氏と横野氏のほうを手で示しながら真っ向から反論した。
タレントのキャシー中島さんも、「日馬富士事件であれだけのことがあっても(理事長は)辞めなかった。ということは何があっても辞めなくて済むということでしょう。八角さんが一度退いて新しい理事長を立て、新しいことをやるとみんなで見せないと、以前と一緒、何も変わらないじゃん、と思う」と、理事長交代を力説した。
「公益財団法人としての一つの責任の取り方」
こうした議論にツイッターでは
「八角理事長の退任論に議論が進んでいるが、一般論では当然だと思う」
「だよね。八角理事長はとりあえず今回は理事長、辞退すべきだよ」
「協会トップの八角さんや問題を起こした春日野さんのことが問われないことの方がおかしいでしょ」
との意見が複数見られる。一方で、
「八角理事長、そんなに悪いことしたと思えないんだけど。事件大きくしたり長引いたのは貴乃花親方のせいでしょ」
との声もあった。
司会の坂上忍さんは番組で「正直この人(八角親方)でなければ誰だっていいんです。それが公益財団法人としての一つの責任の取り方でしょう」と怒気を込めていたが、これに対してツイッター上では「その通り でも春日野はダメ」との反応も見られた。
春日野部屋では力士暴行傷害事件が14年9月に起きていたことが18年1月に報道。加害者の元力士は有罪判決を受けていたが当時公表されず、不祥事発覚とともに春日野親方らの対応が疑問視された。次期理事長は理事の中から3月に選出されるが、その前に、当選した10親方は同時期の評議員会での承認を受けてはじめて正式に理事に就任する。
5日放送の「ひるおび!」(TBS系)では、スポーツ文化評論家の玉木正之氏が「暴行事件の当事者が入っているのを評議員が認めていいんでしょうか――と一応問題提起しておきたいですね」と静かに語った。東京相撲記者クラブ会友の山崎正氏も「春日野親方がやってきたことは、評議員会ではっきり白黒つけるべきだと思います」と提言していた。