読み終わった本は、古本屋に売るよりも「捨てる」べきなのか――そんな議論が、愛書家の間で盛り上がっている。
「売らないね。そんなに高く買ってくれる本も持ってないし......紙のゴミの日に出すかなあ」――2018年1月30日のテレビ番組「セブンルール」(フジ系)でそんな「ルール」を語ったのは、三省堂書店の新井見枝香さんだ。
オードリー若林も「捨てる」派
新井さんは、「プッシュする本は必ずヒットする」といわれるほどの目利きで知られる「カリスマ書店員」だ。番組がその働きぶりに密着する中で、新井さんの蔵書の扱いが話題に上った。
自宅の小さな書棚に積まれた本を、新井さんは数が貯まり次第「ゴミ」として処分しているという。「たぶん、読み終わったらいいんだろうね。中身が自分の中に入ればもういい、って感じだね」として、「もったいないとか思わない?」というスタッフの問いにも「思わない」と即答した。
スタジオでは、「読書芸人」と呼ばれるお笑いコンビ・オードリーの若林正恭さんが、「俺は同じで、新井さんと。捨てるんですよ」と新井さんに同意、その理由をこう語った。
「古本屋に売るとその分、作家さんに入らないから」
一方、このポリシーをめぐっては他の読書好きと過去に「言い合い」になったそうで、相手からは「(古本で)その作家にハマったらずっと読むから、きっかけを古本屋は作るんだ」と反論されたという。しかしこの意見に、作家の本谷有希子さんは、
「ただ、それがきっかけでハマった人は、またその人のを古本屋で買うよ」
と冷ややかなコメントを。スタジオにはどっと笑いが広がった。