「やばい」「道塞ぐほどの行列」「ディズニーなみに並んでる」――。2018年2月2日、牛丼チェーン「吉野家」を訪れた人々から、こんな悲鳴のようなツイートが次々と上がった。
この日は、ソフトバンクのスマホユーザーに吉野家の牛丼が無料でもらえる当日限定のクーポンが配布されていた。このクーポンを持つユーザーが大量に押し寄せたため、各地の店舗で「大行列」が発生。一部のロードサイド店では、入店待ちの車が原因で渋滞が発生する騒ぎも起きた。
「牛丼一杯食うのに1時間待ち」
クーポンはソフトバンクの「SUPER FRIDAY(スーパーフライデー)」キャンペーンで配布されたもの。18年2月の毎週金曜日限定で、吉野家の牛丼並盛(税込380円)が1杯無料でもらえる内容だ。なお、同社の「学割」の対象となる25歳以下のユーザーは2杯分が無料になる。
2日の金曜日は今回のキャンペーンの初日にあたる。そのため、この日に各地の吉野家を訪れたユーザーからは、想像以上の混雑ぶりに驚く声がネット上に相次いで寄せられることになった。
ツイッター上には、店舗前から延々と続く大行列の写真をアップしながら、「店内レジ前は大パニック」「100人ぐらい並んでる」などと現地の状況を報告するユーザーが続出。そのほか、
「スーパーフライデーで吉野家来たけどやばいことなってる」
「いつもガラガラな吉野家が戦場だった タダとはいえ牛丼一杯食うのに1時間待ち」
「スーパーフライデーの影響やばすぎww吉野家がディズニーレベルで並んでたんだが」
といった悲鳴のような声も数多く出ていた。また、牛丼を無料で受け取るために店舗に向かったが、あまりの行列に断念したと伝えるユーザーの姿も目立った。
JRの駅員が「吉野家行列」を整理
そのほか、あるユーザーはJR西九条駅(大阪市)構内の吉野家店舗の前に行列ができた様子の写真をアップ。この店舗は改札の目の前にあるため、混雑によるトラブルを避けるため複数の駅員が行列を整理していたという。このユーザーはツイッターを通じたJ-CASTニュースの取材に対して、現場の状況について、
「(駅員は)行列が乗り換え客の妨げにならないように列を2、3箇所に区切って通り道作っていました。(店舗から離れた)階段の方にも吉野家の客を並ばせ、丁寧に少しずつ誘導していました」
と振り返る。一方、このユーザーによると、吉野家側は店員の数が少なかったためか、行列の整理や誘導は一切していなかったという。
車が「吉野家渋滞」で「全く動かない」
また、車道に面した郊外の添付でも大きな影響が出た。一部店舗前の車道で、入店待ちをする車が原因の渋滞が発生したのだ。実際、新潟県内を走っていたあるドライバーはツイッターで、渋滞の発生情報を表示する地図アプリの画像をアップして、
「渋滞の先頭は女池IC降りた先の吉野家の入店待ち渋滞だったw 主要道路を7.5kmも渋滞させるって尋常でない」
と報告。そのほか、片側一車線の道路を走っていたドライバーからは、吉野家の入店を待つ車が先にいるため「全く動かない」と嘆いていた。
このように、キャンペーンを利用しない多くのドライバーも渋滞に巻き込まれたことから、ネット上には不満の声が噴出。今回のキャンペーンを告知した吉野家やソフトバンクの公式ツイッターには、
「吉野家からほんの数メートル先の自宅に無料渋滞のせいで帰れない!こんな事が毎週とかソフトバンクユーザー以外には本当に迷惑ですよ」
「キャンペーン方法を見直したほうが良くないですか?関係ない人に迷惑かけてる事わかりますよね?」
との怒りのリプライ(返信)が相次ぎ、いわゆる「炎上状態」となっている。
なお、ソフトバンクが「スーパーフライデー」のキャンペーンで吉野家の無料クーポンを配布するのは、16年10月の第1弾以来これで2度目。そのため、混雑や渋滞によるトラブルは事前にある程度予想できたのではないかとして、交通整理の人員の配置などの対応が不足していたと訴えるユーザーの姿も目立つ。