「全角半角キー」の位置が分からず四苦八苦
一部の学生は、キーボード操作でも教員を驚かせた。キーの位置が分からないのだ。「ワード」を使って英語で文書を作成する課題で、半角と全角を切り替えるキーの存在を知らないため、「英語入力ができない」と助けを求めてきた学生がいたと教員は話す。入力作業そのもののスピードも、全体的に遅いと感じている。
クラスにはPC操作やソフトの使い方をある程度習得している学生もおり、できない学生との差が大きい。教員は、「高校までに受ける情報教育の差があるのかもしれません」と推測した。一方で授業の休み時間に学生たちの様子を見ていると、スマホは慣れた手つきで使っていたと明かした。
さらに若い世代はどうだろう。中学2年の娘を持つ都内在住の会社員男性に話を聞いた。娘は普段、スマホで通話や無料メッセージアプリを使い家族と連絡を取り、勉強や音楽・動画鑑賞にはタブレット型PCを活用していると話す。半面PCを利用するそぶりは全くない。学校で課題が出た時に、校内にあるPCを使ったそうだが、家庭では文書の作成といったPC操作はしていない。高校に進学すればPCに触れる授業があるかもしれないが、日常生活では今のところ必要としていないのだ。
だが社会に出れば話は別。オフィスのIT環境は今もPCが主流というところが多いだろう。かつてはデジタル機器に疎い「おじさん世代」を悩ませたPCだが、今は逆にデジタルネイティブ世代がPCを学ぶ時代というわけだ。