「スマホ世代」はPCが使えない ディスプレー押しながら「電源どこ」

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   米アップルの「アイフォーン(iPhone)」が誕生してから10年が過ぎ、スマートフォン(スマホ)は世界中に広がった。今日では、インターネット接続機器の主役はパソコン(PC)からスマホに交代している感もある。

   スマホの機能が向上し、1台あればPCがなくても事足りるようになってきた。特に若い世代はスマホ操作に習熟する半面、PCを使わないがゆえの弊害も出ている。

  • 「どうやって使うんですか…」
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10代のスマホ利用時間は休日5時間

   若者のスマホ利用の伸びは顕著だ。総務省の2017(平成29)年版「情報通信白書」の中に10代、20代の情報行動の解説がある。まず「2012年と2016年とを比較すると、10代はパソコンの利用時間が32分から15分へと顕著に減少している。20代も2016年には自宅でのパソコンの利用は減少している」と説明。反対にモバイル機器を使った10代のネット利用は、12年の75分から16年には108分に増加した。

   さらに16年のスマホによるネット利用時間を見ると、10代は平日で185分、休日になると316分に達する。特に休日はSNSに2時間以上、動画投稿サイトの視聴やオンラインゲーム・ソーシャルゲームにそれぞれ1時間程度を費やしている。

   他の年代のスマホ利用時間を見てみよう。平日の場合、30代は89分、40代は80分だ。休日では30代が118分、40代が101分。いずれも10代には遠く及ばない。働き盛り世代から見ると、例えば職場の若者や、あるいは自分の息子や娘がスマホのさまざまな機能やアプリを軽々と使いこなす様子を羨ましく眺める場面があるかもしれない。

   しかし就職すれば、文書やプレゼン資料の作成、メールの送受信といったビジネスの基本的な作業は、今のところPCの使用が前提だ。これが、日常生活でPCを必要としない10代にとって悩みの種となる。

   東京都内の大学で、PCの基本スキルを学生に教える教員にJ-CASTニュースが取材した。1年生対象の授業で、受講生70人の年齢は18歳がほとんど。デスクトップPCを使って「ワード」「エクセル」「パワーポイント」といったソフトの基本操作を教える。

   初めの授業で、教員はひとりの学生にこう声をかけられた。

「電源が入りません」

   見ると、PC本体ではなく机の上のデイスプレーを必死に押していたという。

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