藤井五段の「ひふみんアイ」はマナー違反? ベテラン棋士が苦言「注意してもらいたい」

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   将棋の藤井聡太五段(15)が対局中に取った行動について、ベテラン棋士の神崎健二八段(54)が「マナー違反」だと指摘した。藤井五段が対局の終盤に立ち上がり、相手の後ろ側から盤面を見たことに、ツイッターで苦言を呈したのだ。

   今回の神崎八段のツイートには、藤井五段のファンとみられるユーザーから、「公で言う事じゃない」「後ろから見ようが問題ない 文句あるならルール化しろ」などの批判が寄せられている。一方で、マナー違反との指摘を支持する棋士もいるようだ。

  • 藤井聡太五段(画像は日本将棋連盟の公式ウェブサイトより)
    藤井聡太五段(画像は日本将棋連盟の公式ウェブサイトより)
  • 藤井聡太五段(画像は日本将棋連盟の公式ウェブサイトより)

「立って後ろから見るのは、マナー違反」

   東京・千駄ケ谷の将棋会館で1日、名人戦の順位戦(C級2組)9回戦の対局が行われた。藤井五段(対戦前は四段)は梶浦宏孝四段(22)に114手で勝ち、順位戦9連勝を達成。五段昇格と来期のC級1組昇格を決めた。

   この対局の終盤で、藤井五段が座布団からおもむろに立ち上がり、相手の梶浦四段の斜め後ろに立って盤面を逆から見る場面があった。なお、このとき対局室では、藤井-梶浦のほかに2組が同時に対局していた。

   藤井五段のこうした行動に注目したのが、30年以上プロ棋士として活躍し、現在は藤井五段と同じ順位戦C級2組に所属する神崎八段だった。1日深夜のツイートで、

「終盤戦の時間切迫局面で、立って後ろから見るのは、マナー違反。隣の両対局者も対局相手も気になっているはず」

と指摘。その上で、この対局を解説していた日本将棋連盟専務理事の森内俊之九段の名前を挙げて、「この映像をもし森内専務理事が見ていたのならば、後日注意してもらいたいことと思うのだが...」とも呟いていた。

   だが、藤井五段の行動に苦言を呈した神崎八段のツイートに対し、投稿のリプライ欄などには、

「Twitterで晒し者にするかのように苦言を呈するのではなく、内々で注意喚起するべきではと感じました」
「直接指導なさるか連盟に仰ればいいではないですか。中学生をTwitterで晒しあげるのはマナー違反ではないのでしょうか」
「なんで森内先生だよ そんなことまで他力本願かよ自分で言えや」

といった否定的な意見が相次いで寄せられた。一方で、「マナー違反の部類に入るのは事実だよな」「なんで正しく批判した側が叩かれんだよ」などと神崎八段の指摘に賛同するユーザーもいる。

   なお、ネット上で批判が相次いだことを受けてか、神崎八段のアカウントは「鍵付き」に設定が変更され、限られたフォロワーしか投稿を閲覧できない状態となっている(2月2日18時時点)。

大平六段「立ったまま盤を見るのは良くない」

   そのほか、今回の神崎八段による指摘を受けて、「ひふみん」の愛称で知られる元プロ棋士の加藤一二三九段(78)について言及したユーザーも目立った。加藤九段が現役中、相手側に回り込んで盤面を見る行動をよく取っていたためだ。

   実際、将棋のネット中継などでは、盤面を通常とは反対に見ることを「ひふみんアイ」との愛称で表現することも。そのためネット上には、「まず加藤一二三に言え」「ひふみんにも注意したんか?」といった反応も出ている。

   なお、スポーツニッポン(17年7月1日付)や長崎新聞(17年6月26日付)の記事では、加藤九段の「ひふみんアイ」について「(将棋の)ルール上は問題ない」としている。

   ただ一方で、「藤井聡太 天才はいかに生まれたか」などの著作で知られる将棋ライターの松本博文氏は2月2日、

「盤を相手側から眺めるのは、対局相手が席から離れている時に限ってのみ許される、という見解を、複数の棋士から聞いた。もちろん、明文化などはされていないが...」

とツイート。また、大平武洋六段(40)も同日のツイッターで、「ひふみんアイ」のマナーを問う一般のユーザーからの質問に答える形で、

「自由だと思いますが、個人的には和室で立ったままで盤を見るのは良くないと思います」

としていた。

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