「理路整然と話している」「しっかりした人」
1度、外へ出ようとして叱られ、以降は逃げ出そうという発想もなくなっていたが、20歳ごろ、「おじさん」が寝静まった深夜に見たテレビニュースで児童虐待の話を扱っており、「自分と似てるな」と疑問を持ち始めた。以降は逃げ出すタイミングを探り、約1年後の2014年6月に逃げ出した。この時、家の表札を見ると「和田」だった。そして、翌7月、意識不明で発見される。
「おじさん」については、いつも家にいて、パソコンで表やグラフをよく眺めていたことから、「株をやっていたデイトレーダーか何かでは」と推測している。
逃げ出したあとの主な記憶は3点で、たどると、意識不明で発見された場所から南東へ93キロ、静岡県と愛知県の県境までさかのぼれたが、それ以前の状況は不明のままだった。
番組に出演したゲストのタレント、柴田理恵さんや小島瑠璃子さんらの男性への印象は「まじめ」「理路整然と話している」「しっかりした人」といったものだった。男性は、自身の素性について知りたい一方で、真実をすべて受け入れることができるかどうかは、自信がなさそうだった。