日本相撲協会の理事候補選挙に立候補した貴乃花親方が「目標」を表明したブログに称賛が集まっている。珍しい「中1日」での更新には、協会の現状に対する「疑念」もつづられていた。
理事選は各候補の公約のようなものが見られず、専門家からは「貴乃花親方だけでなく、残りの親方も自分の意見を出して選挙されればいい」との見解も出ている。
「相撲協会全体の器量を大きく」
貴乃花親方は2018年2月1日に更新した内容の冒頭で、「日本相撲協会理事に立候補いたしました」とした上で、「私なりに今後の相撲界がどうあるべきかを熟考した上での決断です。ここに、私の考えを述べたいと思います」と書き出した。
大相撲界に暴力事件や不祥事が相次ぐ中での理事選は「いままでにない特別なもの」であり、「何のための理事改選なのか、理事になったその先には何が必要なのか、私なりに考えてみました」という親方。公益財団法人の協会にとって、「大相撲という国技の維持、発展を通じて、社会に寄与する」のが「公益性」の意味するところだとし、税制上の優遇を受けていることから「社会的に大きな責任」があるともつづった。
だが、親方は現実とのギャップを感じており、
「相撲協会の現状を見てみると、社会的な責任を果たすよりも協会内の事情や理屈が優先され、公益性から逸脱しているのではないかという大きな疑念を抱いております。大相撲は誰のものか? その公益性の意味を我々は考え直し、正す時期に来ているのではないかと思います」
と危機感を訴えている。その上で
「公益法人としての社会的使命を全うしながら、透明性を持った健全な組織運営をしていくことが、私が思う理事の使命です。その使命を果たすために、相撲協会全体の器量を大きくし、大相撲一門として自由に意見を交わせる風土を作り上げることを私の目標といたしたいと思います」
と決意を表明した。