山尾志桜里衆院議員が主張する「立憲的改憲」をめぐり、立憲民主党内で路線対立の兆しだ。この「立憲的改憲」とは、安保法制の成立を背景に現行憲法では権力をコントロールしきれていないとして、憲法を改正して自衛権をコントロールしようとする考え方だ。
枝野幸男代表は、これを「違憲の安保法制を前提にして、これを追認するようなこと」だとして現時点では否定的だ。今後、山尾氏が党憲法調査会の事務局長に就任するとの見方もあり、「立憲的改憲」に向けた主張を強める可能性もある。
「相当にスケールの大きいものになるだろう」
山尾氏は不倫報道で17年9月に民進党を離党し、10月の衆院総選挙に無所属で出馬して当選。立憲民主と同じ会派に入り、17年11月21日に結党後初めて開いた憲法調査会(山花郁夫会長)の会合にも出席した。12月10日には、「ゴーマニズム宣言」などの作品で知られる漫画家の小林よしのり氏が主催する討論イベント「ゴー宣道場」に登場。不倫相手として報じられた政策顧問の倉持麟太郎弁護士とともに、「立憲的改憲」の重要性を主張した。
「FLASH」17年2月6日号(1月23日発売)に掲載された小林氏の連載「よしりん辻説法」によると、「ゴー宣道場」には2月から毎月山尾氏が登壇するという。小林氏は連載の中で
「憲法学者を呼んで、改憲案を練り上げていく。一般国民が参加でき、ネットの生放送でも見て、参加できるのだ」
「山尾志桜里氏は、立憲民主党に入党し、憲法調査会の事務局長になる。『ゴー宣道場』の師範・倉持麟太郎の協力を得て作る改憲案は、相当にスケールの大きいものになるだろう。もちろん、少数派の人権にも配慮する優しい改憲案になる」
などと説明しており、山尾氏らを巻き込んで改憲案づくりを加速させたい考えだ。