「涙が止まらなかった」「泣きそうになった」
番組ではその後、中村さんが8歳の柴犬「まめ蔵」と向き合う様子に密着した。
訓練所に来てから、既に9か月。多くの犬は半年もすれば変化の兆しが表れるそうだが、まめ蔵は人への関心を示すどころか避けようとしていた。「ちょっとしたことに対して拒絶が半端じゃない」(中村さん談)。
ある日のこと。中村さんが「伏せ」と指示しても、まめ蔵は言うことを聞かない。中村さんが檻を開け、手を伸ばした時、まめ蔵は大きな悲鳴を上げ、その手にガブッとかみついた。
「痛ってえっつんだよ」。中村さんはそう声を上げると、まめ蔵を檻から外に出し、握りこぶし、そして手の平で頭部を叩いた。
だが中村さんがある日、まめ蔵を普段と違う檻に入れた時のこと。まめ蔵はいつも一定の距離感を保っているのにもかかわらず、中村さんの後をついてくるようになった。数日間、そんな状態は続いた。
ここで我慢を覚えれば、立ち直るきっかけをつかめるはず――。中村さんはそう考え、まめ蔵にエサを出さないことにしたが、それでも「待て」「伏せ」の指示に従い続ける。まめ蔵が殻を破った瞬間だった。中村さんは「褒美」としてエサを与える。
その後、成長したまめ蔵と面会した飼い主の目には涙が...。まめ蔵は2018年1月21日、訓練所を卒業。番組の最後には、まめ蔵が中村さんの元へ駆け寄り抱きかかえられる場面も流れ、ツイッターやインターネット上では
「中村さんとまめ蔵の話、物語にはないリアルな感動があった 自分の好きな犬に対してあれだけ厳しくできるのは本当の愛があってこそだと思う」
「最後まめ蔵が自ら中村さんの方へ抱きついてて泣きそうになった」
「ストの方、まだ体が強張り気味のまめ蔵を抱きしめながら、ありがとうと囁いたシーンに涙が止まらなかった」
との声が続出した。