北海道でメロンの生産・販売を行っている寺坂農園が、1600万円の調達を目指して2018年1月29日から始めているクラウドファンディングに対し、翌30日夕方時点、わずか1日で半額を上回る900万円が集まった。中には最高額である100万円のコースへの申し込みもあるなど、大きく注目を集めている。
寺坂農園は17年夏、何者かが収穫寸前だったメロンに除草剤を撒いたことで多額の損害を受けており、クラウドファンディングで集めた資金を使い、損失からの回復を目指すという。
「どうしようもない経営状態」からの回復目指す
寺坂農園は、北海道の中富良野町のメロン専門農家で、全国からの注文に対して自ら販売も行っている。
寺坂農園の被害が公開されたのは17年8月3日に公開されたブログ上で、除草剤が撒かれる以前から外部からいやがらせを受けていたこと、被害を受けたことで注文をキャンセルせざるを得なかったことなどが詳細につづられた。幸いにも、除草剤の影響は土に残らないため、その後の栽培に問題はないという。
最終的にはビニールハウス6棟分のメロン約6600玉が全滅し、1500万円を超える被害があったと報告している。
このブログはSNSで広く拡散され、大きく注目を集めた。
そうした大きな被害があった2017年を超えた18年1月29日、寺坂農園代表の寺坂祐一さんはツイッターを更新し、
「なんとか年越しましたが、正直、どうしょうもない経営状態です。
【メロン除草剤散布事件を乗り越える!挽回に向けて【寺坂農園】回復プロジェクト】
クラウドファンディングで支援受けることを決断しました」
と投稿し、クラウドファンディングプロジェクトを立ち上げたことを報告。5000回近くリツイートされ、多くのツイッターユーザーが反応した。
100万円の支援コースにも申し込み
「Makuake」のプロジェクトページによると、除草剤散布で受けた損害により、18年5月に資金不足に陥ること、犯人が捕まっていないことから、損害賠償や銀行からの融資による補填は難しいという中で、コンサルタントからの提案を受け、クラウドファンディングを活用して資金を募ることを決めたという。
目標金額は1600万円で、17年の損害にかかった様々な設備費や人件費の補填に充てることで、経営状態の回復を目指すという。
支援への返礼品は農園で栽培したメロンを中心に、タオルやポストカードなどのオリジナルグッズからトウモロコシ、アスパラガスといった野菜やドレッシングなど幅広く、中にはビニールハウスへの命名権が貰える100万円の支援コースもある。
このツイートが拡散されたことでクラウドファンディングも注目され、翌30日昼には目標金額の半分にあたる800万円を上回る支援額が集まり、夕方には900万円を突破している。
J-CASTニュースは2018年1月30日、寺坂農園に取材したところ、担当者は
「とにかく、精神的、経済的なダメージから回復すること」
が目的であると語り、1日で目標の半分を達成し、中には最高額の100万円コースへの申し込みもあるなどの予想を上回る大きな反応には驚いていると話した。