中国外務省の華春瑩副報道局長が、河野太郎外相のツイッターで満面の笑顔を披露し、話題になっている。華氏は記者会見で硬い表情で中国政府の公式見解を繰り返すことで知られ、最近表情を崩したのは、パンダをめぐる答弁の勘違いを指摘されたときぐらいだ。このギャップに日中のネット利用者からは「意外!」「日中友好」「ハニトラ(ハニートラップ)に気を付けて」などと、さまざまな反応が相次いでいる。
「中国の有名な女性と!」
河野氏は2018年1月27日から28日にかけて中国・北京を訪問し、王毅外相、楊潔チ国務委員、李克強首相らと会談。関係改善に向けた意見交換を行ったり、中国の潜水艦と軍艦が尖閣諸島の接続水域を通過した事案について再発防止を求めたりした。河野氏が外相として訪中するのは初めてだ。
河野氏は帰国直後の1月29日朝、「中国の有名な女性と!」の英語の説明とともに、華氏とツーショット写真をツイッターの英語アカウントに投稿。1800件ほどリツイートされ、
「笑顔見たことなかった」
「いい笑顔」
といった声が相次いだ。また中国語でも、
「日中の友好関係を守ってルールに従って行動しよう」
「中日友好、世界和平」
「日中関係も、こういう笑顔みたいになってほしい」
といったコメントが確認できる。華氏の写真は英語版のアカウントにのみ投稿されたが、後に河野氏の日本語のアカウントでもリツイート(拡散)された。
2017年12月のパンダめぐる質問では「シャンシャン」違いで表情崩す
華氏は17年12月19日の定例会見では、上野動物園で一般公開が始まったジャイアントパンダ「シャンシャン」(香香=Xiangxiang)に関する質問を杉山晋輔外務事務次官に関する質問と勘違いする一幕があった。「杉山」も「シャンシャン」(Shanshan)と発音するためで、華氏は硬い表情で「日本が(日中共同声明など)4つの政治文書に基づいて...」と話したが、間違いを指摘されて「こんなにかわいい、やさしい質問だったのに...」と表情を崩した。笑顔を見せたのはこの時と就任あいさつぐらいで、1月29日の定例会見でも、河野氏の訪中について
「(日中)双方が日中関係、国際情勢や地域情勢について突っ込んだ意見交換をした」
などといつもの硬い表情で振り返った。