フジテレビは2018年3月、視聴率の低迷に歯止めをかけるべくバラエティ「改革」の大ナタを振るう。同局の全盛期を支えた長寿番組「めちゃ×2イケてるッ!」(1996年10月~)と「とんねるずのみなさんのおかげでした」(1997年6月~)に終止符を打つのだ。
だが、スポーツ紙が後継番組の布陣を報じたのをきっかけに、ツイッターなどインターネット上で「めちゃイケ終わらせない方がよかったのでは?」との皮肉が相次ぐこととなった。
他局の「イッテQ!」などが人気
フジテレビの2018年4月期の番組改編について、1月29日付のサンケイスポーツ紙面が報じた。1月19日に放送された特別番組「世界!極タウンに住んでみる」は、ディレクターが世界各国の「極端」な街「極タウン」に潜入する番組で、これを「めちゃイケ」の後継とする。レギュラー化した後の番組MCは調整中だという。
番組ディレクターや芸能人がこうして海外の都市や村を訪問するバラエティは、既に他局の番組がいくつかその人気を不動のものとしつつある。
「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ系、2007年2月~)
「クレイジージャーニー」(TBS系、2015年4月~)
「陸海空 地球征服するなんて」(テレビ朝日系、2017年4月~)
「イッテQ!」でタレントのイモトアヤコさんが活躍し、「陸海空」でディレクターの「ナスD」さんが注目を集めるなど、出演者の人気も高い。さらにこの他、「世界の村で発見!こんなところに日本人」(テレ朝系)、「世界ナゼそこに?日本人 ~知られざる波瀾万丈伝~」(テレビ東京系)なども放送中。バラエティ界隈はまさに空前の「世界」ブームとなっている。
ツイッターなどインターネット上ではそのため、「極タウン」レギュラー化の報道に「世界の村とか町に行く番組はもういいよ何番煎じだよ」「...またテンプレ。海外ばっか」と冷ややかな声が相次ぐことに。「やってること、ナスDのパクリディレクターが体張るのが流行っとるからってすぐ乗っかる」との批判もあった。
フジテレビ「正式発表はしておりません」
フジは2018年1月に長寿番組「SMAP×SMAP」の後継として、世界各地の村で人々の幸せを守る「どエライさん」を掘り下げる番組「世界の村のどエライさん」の放送を始めたばかりだ。15年4~9月にも、ディレクターが海外都市に滞在する番組「世界行ってみたらホントはこんなトコだった!?」を放送していた。
「極タウン」レギュラー化の報道で、視聴者もどこか過去の番組を思い出したようで、ツイッターには
「すでに【世界の村のどエライさん】放送しているじゃないか...」
「どエライさんと内容が被ってるし、だから既視感が...」
「『極タウン』なんて、『世界行ってみたらホントはこんなトコだった』の焼き直しじゃねーか」
との声が上がっている。
サンスポの報道によれば、「とんねるずのみなさんのおかげでした」(木曜21時)の後継番組は、タレントの坂上忍さんが司会を務める新番組(タイトル未定)になるという。既に昼の情報番組「バイキング」(月~金11時55分)で司会を務めている人気者の起用に、ツイッターでは「フジは坂上忍におんぶにだっこやな」との皮肉、そして
「めちゃイケ終わらせない方がよかったのでは?」
「どこの局でもやってるような出涸らし番組ならめちゃイケとみなさんのおかげでしたやり続けてほしいんだけど」
との声も飛び出している。はたしてフジの番組改編は、吉と出るか凶と出るか――。
1月29日のJ-CASTニュースの取材に、フジテレビの広報宣伝室は
「4月改編につきましてフジテレビより正式発表はしておりません。しかるべきタイミングが来ましたら発表させていただきます」
と回答した。