お笑い芸人の狩野英孝さん(35)が、テレビ番組の企画で南アフリカで着ぐるみ姿で肉食獣などの撮影に挑戦し、ネット上で驚く声とともに疑問や批判も上がっている。
狩野さんが出演したのは、フジテレビ系で2018年1月27日夜に放送された単発のバラエティ番組「坂上探検隊」だ。
噛まれてる最中にスタッフ「自撮りチャンス!」
番組では、世界各地で体を張って調査するとして、タレントらが様々な挑戦を行った。狩野さんは、17年1月までには現地ロケをしていたが、女子高生との淫行疑惑で芸能活動を謹慎したため、企画がお蔵入りしていた。
今回は、そのお蔵入りが1年ぶりに日の目を見た形だ。
狩野さんは、南アフリカのサバンナに入り、様々な動物の着ぐるみ姿になって肉食獣などを次々にビデオに録った。目標は、英BBCを超える誰も見たことのない超接近映像と動物と一緒に映る自撮り映像だ。
まず手始めは、キリンとの自撮りになり、狩野さんは、別のスタッフと2人でキリンの着ぐるみに入って撮影した。ライオンを蹴飛ばすほど凶暴なため、怪しい動きをしたり怒らせたりしないよう、付添いのレンジャーから注意を受けた。次に、ダチョウの姿になってダチョウの撮影を始めるが、そこに凶暴なチーターが2匹現れる緊急事態になった。
着ぐるみの狩野さんが木に引っかかって転ぶと、チーターがいきなり噛み付く。次々に噛まれるが、番組スタッフからは「自撮りチャンス!」と声をかけられる。そんな中で、狩野さんは約40分もチーターに囲まれ、逃げると被り物の尻を噛まれて「助けて!」「痛い!痛い!痛い!」と声を上げた。
「土地の所有者の指導の下、安全に配慮して接近」
番組では、このままでは狩野さんが捕食されるため、レンジャーが救出したと説明した。狩野さんは、「(チーターの)牙が入ってきたんだよ」と顔を手で覆って怖そうだ。「本当に肉食動物に襲われる草食動物の気持ち」と漏らすと、映像を見ていたスタジオから笑い声が起こった。
さらに、大変そうだったのが、夜のサバンナで野宿したときだ。狩野さんが草の着ぐるみを着て寝転んでいると、なんと肉食獣のワイルドドッグが5頭ほど現れた。右足を噛み付かれるが、「いい絵撮って下さい」とスタッフから言われ、「噛まれてるんだよ、こっちは」とつぶやく。それでも、20分ほど現場で撮影に挑み、「痛え! 身やられた!」と叫ぶと、スタジオには笑いが広がった。
番組では、着ぐるみは日本の最新技術で作られており、狩野さんがライオンに噛まれたときはプロテクターのおかげでケガしなかったと紹介した。また、「広大な私有地で飼われている動物たちに、動物の生態を熟知しているこの土地の所有者の指導の下、安全に配慮して接近」「南アフリカではVTRのように動物に接近する行為は禁止されています」と繰り返しテロップなどで流した。
狩野さんの挑戦は、ツイッター上などで話題になり、「体張ってますね」「狩野すごい!」と賞賛する声とともに、「素人目には安全性分からないけど、スタッフもそこまでバカじゃないだろう」との声も出た。とはいえ、動物園でも飼育係がライオンなどに襲われるケースはあり、狩野さんの顔や手の一部などは外に露出していた。それだけに、「これ笑える内容なの??」「なんかあってからすみませんで済むと思っておるのかなあ?」「これをやらせるスタッフとテレビ局ヤバイ...」との声が漏れていた。