みずほ証券社長がFGトップに 込められた「象徴的メッセージ」

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「ワンみずほで収益を上げていく」

   佐藤氏は記者会見で「証券会社の社長がグループトップになることは非常に大きな意味がある」と述べた。マイナス金利政策の影響で、銀行の本業である融資によるもうけが伸び悩む中、株式の引き受けやM&A(企業の合併・買収)仲介といった証券業務が、より重要な経営の柱となり得るからだ。坂井・みずほ証券社長の抜擢は、「ワンみずほで収益を上げていく」という佐藤氏の象徴的なメッセージと言える。

   その坂井氏は銀行トップこそ未経験だが、銀行では企画部門や投資銀行業務を担当し、「FGの中核業務に精通している」(みずほFG幹部)。早くから「将来のFG社長候補」と目されてきた期待の星だ。

   しかし、新社長の前途は険しい。みずほFGの2017年9月中間連結決算の純利益は前年同期比11.6%減の3166億円。三菱UFJFGの6269億円、三井住友FGの4202億円と比べて少ないだけでなく、3メガバンクで唯一の減益だった。「稼ぐ力」の低さは明らかで、底上げが急務だ。

   収益力アップに向け、佐藤氏は昨秋、業務のIT化により1万9000人を削減するなど、10年先を見据えた改革も打ち出した。佐藤氏が描いた「ワンみずほ」の体制に魂を吹き込み、証券業務の拡大や経費削減で収益を底上げできるのか。坂井氏に課せられた課題は重い。

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