着物レンタル販売の「はれのひ」(本社:横浜市中区)が突然営業を停止し、成人の日に振り袖を着られない新成人が続出した問題で、同社の篠崎洋一郎社長が2018年1月26日、横浜市内で記者会見を開いた。
篠崎社長は時折涙声になって謝罪し、「急激な出店でコストが拡大し、売り上げの減少に歯止めがかからず、目途が立たなくなった」と説明。「お嬢様、ご家族さまの一生に1度の成人式を台無しにした責任は私にある。本当に申し訳ない」と陳謝した。
「(振り袖は)すべて返せるとは言えない」
篠崎社長は「事の重大さを分かっていたが、どのように対応したらいいか分からなかった。弁護士が決まって、調査等に時間がかかった」と会見に至るまでの経緯を説明。「知人のところにいた。隠れるつもりはなかった」と明かした。
報道陣との質疑応答で、記者が「(振り袖は)そっくりそのまま返すということでよいのか」と質問すると、篠崎社長は「そのようにする」とコメント。だが隣の代理人弁護士が割って入り、
「すべての客の振り袖があるか確認していない。今ここで約束できる筋合いのものではない。管財人の方で今後、客の着物が全部あるのか調査してくれる。購入した客の着物に限っても、すべて返せるとは言えない」
と社長の返答に補足を加えた。
社長はまた、2017年4月ごろから経営がうまく立ちいかなくなっていると感じていたが、5月の連休あたりで社員にモチベーションの低下がみられるようになり「危機感を感じていた」という。「12月の中旬くらい」に最後の注文を取ったとし、一部で報道のあった転売のウワサは、きっぱりと否定した。
社長の記者会見を受けて、ツイッターでは
「被害者はこの程度の謝罪では納得できない」
「代理人から『借り物お返しできるかわかりません』って本格的にやべーな」
「はれのひ、もう取り返しはつかない。お金だって払いきれるとは思えないし、成人式は終わってしまった」
「随分前から経営悪くなってたのに、受け付けてたのね。まぁ、悪意無いといっても信じてもらえんな」
など、ため息がもれている。