2018年2月9日に開幕する平昌五輪の「平壌五輪」ぶりが、文在寅(ムン・ジェイン)大統領を追い詰めている。調査会社の「リアルメーター」が1月25日に発表した世論調査の結果によると、文大統領の支持率は59.8%で初めて6割を下回った。前週からは6.2ポイントの下落だ。
北朝鮮の金正恩委員長が1月1日の新年の辞で平昌五輪に代表団を参加させる意向を表明し、直後は支持率が上昇したものの、開催が近づくにつれて期待感が急速にしぼんでいることがうかがえる。
あらゆる局面で支持率下がる
調査は1月22日から24日にかけて行われた。今回発表されたのは1月第4週の結果だが、第3週(15~17日)の支持率は66.0%、第2週(8~12日)は70.6%、第1週(2~3日)は71.6%と、18年に入ってからは右肩下がりだ。なお、12月第4週(12月26~29日)は68.5%だった、
週単位だけではなく、日単位の支持率も発表されている。平日の調査日で1月12日から23日にかけて8調査日連続で支持率は下落している。12日には69.9%だったが、17日の南北会談でアイスホッケー女子の合同チームを結成することや、開会式で「統一旗」を掲げて合同入場行進することで合意すると、直後の19日に64.4%に下落。
北朝鮮が韓国に派遣する「三池淵管弦楽団」の玄松月(ヒョン・ソンウォル)団長が21日、視察のため韓国入り。その様子が広く報じられた22日には60.8%に下落した。「警備が厳重すぎる」といった批判が影響している可能性もある。23日には青瓦台の朴洙賢(パク・スヒョン)報道官が「平壌五輪」批判を「理解できない」と批判。この日の支持率は59.9%にまで落ちた。ただ、24日の支持率は60.3%で「小幅反発」。リアルメーターでは、文大統領が21日から連日のように与野党院内代表会合の開催を呼びかけるなど、「超党派的協力」を要請したことが「小幅反発」を呼んだとみているが、支持率低下は五輪への対応が背景にあるとみている。