首脳会談は平行線で終わる?
ただ、日本にとっての韓国の外交的重要性は低下を続けている。14年の施政方針演説や所信表明演説では、韓国について「基本的な価値や利益を共有」する「最も重要な隣国」だと説明されていたが、15年2月の施政方針演説では「最も重要な隣国」に変化。17年1月の施政方針演説でも同様に
「戦略的利益を共有する最も重要な隣国」
の表現だった。ところが、18年1月22日の施政方針演説では韓国について
「韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領とは、これまでの両国間の国際約束、相互の信頼の積み重ねの上に、未来志向で、新たな時代の協力関係を深化させてまいります」
と触れただけで、韓国の位置づけを示す「枕詞」すらなくなった。
韓国側は青瓦台(大統領府)が安倍首相の訪韓を「歓迎する」との声明を出したものの、韓国メディアでは首脳会談が平行線で終わるとの見方が出ている。朝鮮日報は、日本側が合意履行を要求した場合は
「『過去の政府の合意で慰安婦問題が解決されたとは言えない』という一貫した立場を示すだろう」
とする青瓦台関係者の声を伝えながら、
「韓日首脳会談で顔を赤らめる状況が演出されることもあるということだ」
と解説。会談が紛糾する可能性に言及した。東亜日報も、韓国側が
「過去の政府の合意で慰安婦問題が解決されたとはいえない」
との立場を表明する見通しを報じている。
こういった冷え込んだ日韓関係の中での政治決断から、どういった成果が得られるか注目される。