70年の長きにわたって親しまれてきた「梅の花本舗」(東京都荒川区)の「元祖梅ジャム」が、もう食べられなくなった。
1人で作ってきた高林博文社長(87)が、体調を崩して廃業したためだ。
「頑張ってきたが、もう売れないんですよ」
梅の花本舗が廃業するという情報は、2018年1月18日ごろにツイッター上で流れた。次第に梅ジャムが好きだった人たちの間で広まり、悲しむ声が相次いでいる。
「美味しいのに」「数年前から危機が叫ばれてきたのは知っていたが......」「恐れてたことが現実になった」「またひとつ昭和が遠くなる」......
梅ジャムは、梅干しの果肉を使ったジャムで、透明な小袋にはいっている。戦後間もなくの1947年から製造を始め、最初は紙芝居のときに売っていたが、駄菓子屋で扱われるようになって、子供たちの人気を集めた。
ソースせんべいやミルクせんべいに付けて食べられたほか、カップラーメンのブタメンに入れる食べ方なども知られていたようだ。
梅の花本舗の高林博文社長は25日、J-CASTニュースの取材に対し、17年12月いっぱいで廃業したことを明らかにした。
「5回も関節などを手術したりして、体を痛めてしまいました。機械もボロボロになって、すでに解体しています。少子化で問屋さんも取引を止め、駄菓子屋もなくなりました。頑張ってきたが、もう売れないんですよ。時代の流れには勝てないので、70年を区切りに止めることにしました」
梅ジャムが店頭に残っていても在庫限りになるが、アマゾンではすでに、40個入り箱詰めジャムが「現在在庫切れです」との表示になっている。