車両や施設を改善、4年前を踏まえた対策、それでも...
京王電鉄広報部は、降雪時の車両や施設における対策として、着雪面が少ないパンタグラフの採用やヒーターを内蔵した電線の使用、地下駅を除くすべてのポイントに電気融雪器を設置、また2015年秋に導入した事業用車両(牽引車両)には排雪板を装備したという。降雪が予想される場合、事前に動員態勢や夜間作業実施の有無、電気融雪器の使用、利用客への情報提供といった内容を対策会議で話し合う。他社同様、凍結や積雪を防ぐため回送電車を走らせる措置も、状況に応じて取っている。乗客に向けては、降雪時の列車運行で想定される影響について、駅構内や車内に「お願い」のポスターを掲出し、駅の改札口付近にあるディスプレーを使って、降雪対応の情報提供を行う。
対策を講じた場合でも運行が遅れることについては、
「雪の場合、事故防止の観点から、状況によって速度制限の実施や通常よりブレーキ操作を行う距離が長くなります。また、夕方以降の帰宅ラッシュ時にお客様の混雑が集中することなどから、結果的にダイヤ通りの運行を行うことが難しい状況です」
とこたえた。
JR東日本では、2014年2月に首都圏で起きた大雪の際に新幹線や在来線で輸送障害が起きたため、同年5月8日に「雪害に対する取り組み」を発表している。首都圏在来線では、例えば、ポイント不転換防止のため電気融雪装置の整備や、除雪車量の増備、降雪状況を確認するための沿線監視カメラの設置などが進められてきた。
だが今回の1月22日の大雪でも列車遅延が発生したことに、同社広報部は、事前に降雪予報が出ていたので乗客に向けて周知はしていたものの、平日の日中はもともと運行本数がそれほど多くなく、加えてその時間帯に早めに帰宅しようと多くの人が乗車しようとしたため、結果的に遅れにつながってしまったという。合わせて、雪害対策を行なってはいるものの100%防ぐことは難しく、「大変ご迷惑をおかけしました」とコメントした。