台風や大雨、大雪が予想される際も、無理を押して出勤する人は多い。だが、台湾ではそんなことはなさそうだ。行政機関が臨時休業や休校を宣言することが法律で決まっているためだ。
2018年1月22日の首都圏での大雪を受け、ネット上では、この仕組みが「最良の働き方改革」「日本でも導入すべき」といった声が漏れている。
民間企業の多くも「停班停課」準用
この仕組みは「停班停課」と呼ばれ「休業休校」の意味。台風が頻繁に通過する土地柄から「自然災害休業休校措置法」で仕組みを整備した。台風、大雨、震災、土石流などが対象で、自治体ごとに発令する。台風の場合は原則として前日夜までに周知することになっているため、日本のように「一度家を出たが、交通機関が大混乱で、結局帰宅」といったことはなさそうだ。
法律で対象として定めているのは公的機関や学校などだが、多くの民間企業でも準用している。会社の所在地や通勤ルートで「停班停課」が発令されれば休暇を取ることができる。それでも会社が出勤を命じる場合は割増の賃金を支払わなければならないが、実際には休む人が多いようだ。
判断ミスが問題化するケースも...
ただ、「停班停課」を発令する「さじ加減」は自治体にとって悩ましい問題だ。16年9月27日に台風17号が上陸した際は、南部の高雄(カオシュン)市は午前中だけ授業を行って午後だけを「停班停課」にしていた。ところが、予想に反して午前中から強風に見舞われ、下校中の生徒が風に飛ばされそうになったとして問題化した。一方、台北市は9月28日夜まで「停班停課」にしたが、28日朝には雨が止んだ。台北市の企業からすれば、停班停課の「空振り」でビジネスチャンスを逃したとも言え、やはり問題化した。
判断ミスの問題はあるものの、動かない交通機関に人が殺到するような事態は避けられるため、今回の大雪を受けて日本のツイッター利用者からは
「停班停課を参考にするのがいいかも」
「マジで停班停課やってほしい」
といった声が散見される。