市民参加型の「関東雪結晶」プロジェクト 「東京4年ぶり大雪」でも大盛況

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   関東で降雪がある度にツイッターで話題となり、時にはトレンドにも入る「#関東雪結晶」というハッシュタグを見たことがあるだろうか。

   様々な雪の結晶を眺められるハッシュタグ...ではなく、関東を含む首都圏の降雪のメカニズムを解明する上で重要な要素を研究する、市民参加型の研究活動(市民科学)の一環として行われているものだ。

  • 茨城県つくば市で観測された雪の結晶 (荒木健太郎研究官提供)
    茨城県つくば市で観測された雪の結晶 (荒木健太郎研究官提供)
  • 茨城県つくば市で観測された雪の結晶 (荒木健太郎研究官提供)

高精度な雨雪判別や、降雪の予測精度向上につなげていく

   少しの積雪でも交通に影響を与える反面、雪を観測する機会の少ない首都圏では降雪の実態解明が充分に進んでいない。

   降雪のメカニズムを知る上で、地上での雪の結晶の観測は重要だが、研究者単位では特定の地点でのものしか知ることができない。

   そこで、市民の協力のもと、地上の多数の地点での雪結晶を観察して気温や水蒸気量といった上空の大気状態を読み解き、降雪の実態解明に向けて研究を進めるのが「関東雪結晶」の狙いだ。

   高性能なカメラを備えたスマートフォンとSNSが普及し、特別な機材が無くても画像を撮影、共有できるようになった現代ならではのプロジェクトといえる。

   将来的には他の観測データと合わせ、関東における高精度な雨雪判別や、降雪の予測精度向上につなげていくという。

   プロジェクトを提唱した気象庁の気象研究所所属の荒木健太郎研究官は、関東での降雪が予測されると、スマートフォンを使った撮影方法をツイッターで紹介し、場所や時間帯などの情報を添えて共有するように呼び掛けている。

「17年の冬には1万枚以上の画像が提供されました」

   2016年の冬に始まったこのプロジェクトについて、荒木研究官に18年1月23日に電話取材したところ、人口に比例する形で各地の情報が寄せられているといい、

「17年の冬には1万枚以上の画像が提供されました」

と語った。また、研究所のサイトによると、こうした市民による高密度の広域観測は世界で初めての事例で、16年12月の降雪の際には5000枚超が集まったという。

   都心で20センチを超える雪が積もるほどの大雪となった1月22日にも数多くの人が「#関東雪結晶」のハッシュタグに集い、画像や情報を提供している。

   また、研究所の「関東雪結晶」のページでは、雪の結晶以外にも雨やみぞれの情報も重要であるとし、時刻や場所とともにハッシュタグを付けて共有するよう呼びかけている。

   「関東雪結晶」で提供された情報をもとにした論文や発表は随時行われており、18年にも新たな論文の発表を予定している。

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