山中所長に「やめないで」の声続々 記者から「辞任」質問も出るが...

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   辞任する必要はない、やめるほうがむしろ損失だ――京都大学・iPS細胞研究所所員の論文不正問題をめぐり、矢面に立たされた山中伸弥所長への「応援」の声が相次いでいる。

   京大は2018年1月22日、iPS研に所属する特定拠点助教の論文に、捏造や改竄(かいざん)が含まれていたと発表した。

  • 山中伸弥氏(米国立衛生研究所、2010年)
    山中伸弥氏(米国立衛生研究所、2010年)
  • 山中伸弥氏(米国立衛生研究所、2010年)

iPS論文不正で「辞職の可能性」報じたメディアも

   これによると、問題となったのは2017年2月、米国の科学誌「ステム・セル・リポーツ」に発表された論文だ。ヒトのiPS細胞を元に、脳の血管内にある細胞を作り出すことに成功した、とする内容で、これにより脳に作用する治療薬の開発や、病気のメカニズム解明に役立つと期待されていた。当時の新聞各紙でも、「ヒトiPSで脳の血管内皮細胞を再現 京大グループ、新薬開発へ期待」(朝日新聞、2月25日付朝刊)など、各紙が取り上げた。

   「信憑性に疑義がある」との情報が寄せられたiPS研が調査したところ、論文の通りのグラフが再現できないという事態に。17年7月に大学本部に通報が行われ、外部委員を含む調査委員会がチェックした結果、論文を構成する主要な図6個すべてに捏造や改竄が確認されたという。

   18年1月22日、iPS研所長として大学幹部とともに記者会見の場に立った山中伸弥氏は、マスコミから大量のフラッシュを浴びせられながら、深々と頭を下げた。

「取り返しのつかないことではありますが......大きく、心から反省しております」

と語る表情は、沈鬱そのものだ。さらに記者からは責任問題について、「(所長の)辞任も含めて検討?」と質問が飛ぶ。山中氏は即座に、「もちろん、すべての可能性を考えております」と応じた。

   この発言を受け、メディアの中には、

「京大iPS研で論文不正 図を捏造、山中所長は辞職も検討」(共同通信)
「京大iPS研で論文不正 山中所長 辞職の可能性も」(テレ朝ニュース)
「山中伸弥所長 辞職も含め『検討したい』 京大iPS研論文不正」(デイリースポーツ)

など、「辞職」の見出しを打つ動きも相次いだ(見出しはいずれもウェブ版のもの)。

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