国際NGOのオックスファムは、2018年1月22日に発表した2018年版の格差に関する報告書で、17年に生み出された富の82%を、世界人口の1%にあたる富裕層が独占していることを明らかにした。その一方で、人口の半分を占める貧しい人々、37億人が手にした富の割合は1%未満だった。
また、富裕層の数が増え続け、その資産も2010年以降は平均13%ずつ増えているのに対し、一般的な労働者の賃金は平均2%しか増加していないなど、格差の拡大も指摘した。
オックスファム事務局長のウィニー・ビヤニマ氏は、報告書内のコメントで、
「富裕層の増加は、経済的な繁栄の表れではなく、破綻した経済システムの症状」
「格差対策に具体的に取り組む政治家やビジネスリーダーにめぐり合うことは、それ以上に困難であるとも言える。それどころか、多くの場合、減税や労働者の権利を弱体化する施策を支持、導入することで、状況の悪化に加担している」
と、富裕層が増え続けている現状と、行動を起こさない政治家やビジネスリーダーを批判した。