フェイスブックがニュースメディアを「格付け」 自ら行わずユーザーの決定に委ねる

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米右派ニュースサイトが敏感に反応

   2016年の米大統領選で、民主党の大統領候補だったヒラリー・クリントン氏を攻撃する大量の投稿が、フェイスブック上にばらまかれた。さらにロシアが関与したとみられる、米社会の分断をねらったような広告も多数、掲載された。人種問題や銃規制、LGBTといった社会の意見が分かれるテーマを選んでいる。このため、「反トランプ大統領派」の人たちを中心に、フェイスブックは厳しく批判された。巨大SNSにより、偽情報が拡散されたというわけだ。

   米ニューヨークタイムズ(電子版)は18年1月19日付記事で、メディア事業者団体「デジタル・コンテント・ネクスト」のトップのコメントを載せた。今回のフェイスブックの試みを、改善の第一歩として望ましいと受け止めつつも、フェイスブック側が決める順位が信頼に足るのか懸念を示した。信頼性の評価を下す利用者の意見そのものが改ざんされやすいのではないか、との疑念だ。また国や地域によっては、政府がメディアをコントロールし、独立系が非合法とされることもある。その場合、本来は信頼できるはずのメディアが検閲されたり、政府から不法と決めつけられたりした場合はどう判断するのか。

   今回の措置を報じたメディアは多いが、敏感な反応を示したのが米右派系ニュースサイト「ブライトバート・ニュース」だ。1月20日付記事で、「こうすれば常にニュースフィード上で当ニュースが読めます」と、図解したのだ。このサイト、トランプ大統領の側近中の側近といわれたスティーブン・バノン氏が2012年から今月上旬まで会長を務めていたことでも知られる。

   確かにニュースフィードは設定によって、利用者自身が表示コンテンツを管理できる。記事では「ブライトバート・ニュースは、利用者とのつながりが強いフェイスブックページトップ10のひとつ」と誇っているが、読者にわざわざ「設定の呼びかけ」をしたのは、運営側で順位を下げられるのを恐れたのだろうか。

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