このポプテピピックってなんなの...? 過熱する「クソアニメ」現象

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   「秋葉原のアニメイト前何が起きてるんだ...」「この人だかりは何だ?」「秋葉原メイト前人ヤバい」――2018年1月21日午後、こんなツイートが相次いで発せられた。

   投稿された写真に映る、東京・秋葉原のアニメショップ「アニメイト」前は、歩道どころか、歩行者天国となった車道まで埋め尽くすほどの黒山の人だかりだ。教科書に載っている「米騒動」の写真もかくや、という状態である。

  • 公式サイトより
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アニメ化に当初は半信半疑だったファンも...

   騒動の主人公は、TOKYO MXなどで放映中のアニメ「ポプテピピック」である。この日、秋葉原アニメイトで、登場キャラの「ポプ子」のお面を無料配布する、というイベントを直前告知、結果大量のファンが集まったのだ。

   あまりの事態に警察も出動、「危険な事態」との判断から、結局配布は中止になってしまった。

   アニメファン界隈では、1月6日の放送開始以来、「信者」と「アンチ」を巻き込んで大きな反響を巻き起こしているポプテピピックだが、いったいどんな作品なのか。

   原作は、2014年から竹書房の漫画配信サイト「まんがライフWIN」で断続的に連載されている大川ぶくぶさんの作品だ。大川さんのポップな絵柄もあって、一見するとかわいらしい雰囲気なのだが、単行本1巻の表紙からして主人公の「ポプ子」と「ピピ美」が中指を立てているなど、いきなり不穏な雰囲気である。

   中身は女子中学生・ポプ子とピピ美のやりとりを中心とした4コマ漫画だが、見た目に似合わぬ殺伐とした発言や、シュールなギャグ、他漫画やアニメのパロディー、きわどい時事ネタなどがこれでもかと連発される。連載元の竹書房を「指定暴力団」呼ばわりしたり、社屋を破壊したりしたことも。

   ツイッターなどSNSなどで人気が加速し、カフェなどとのコラボイベントも相次いで成功、そして2018年1月、3か月の開始延期を経て、満を持してアニメ化された。

   「クソ4コマ」を自ら称する原作を、いったいどうやってアニメ化するか、ファンの間ではある種半信半疑、といったムードだったが、6日に第1話は予想の斜め上を行く内容に。

まさかの「再放送」に騒然となるネット

   なんと、30分の枠の前半(Aパート)と後半(Bパート)で、ほぼまったく同じ映像を「再放送」と称して放送、しかもAパートとBパートで、ポプ子とピピ美役の声優をごっそり入れ替える、という前代未聞の手に出たのだ。しかも、1話以降毎回である。その上、若手からベテラン、さらに性別さえ無視したキャスティングだ。

   たとえば第1話ではAパートが、ともに渋い美声の江原正士さん(64)、大塚芳忠さん(63)というベテランコンビだったのが、Bパートではあの「タッチ」で主人公・ヒロインを演じた三ツ矢雄二さん(63)、日高のり子さん(55)という組み合わせに。2話はAパートが「魔法少女まどか☆マギカ」などの悠木碧さん(25)、「けいおん!」の竹達彩奈さん(28)という若手人気声優コンビだったのが、Bパートは一転して古川登志夫さん(71)、千葉繁さん(63)という「うる星やつら」や「北斗の拳」などで知られる大御所タッグだ。

   最新第3話でも、Aパートこそ小松未可子さん(29)と上坂すみれさん(26)というまともなキャストだったのに、Bパートでは、「ドラゴンボール」でそれぞれフリーザ・セルといった強敵を演じた中尾隆聖さん(66)、若本規夫さん(72)が登場、過去の作品を髣髴とさせる怪演を見せ、ネットを騒然とさせた。ファンの間からは、次にどんな声優が登場するのか、予想合戦も盛り上がる。

   アニメの中身の方も、突然挟まる実写映像、まったく別のタッチで描かれたミニコーナー「ボブネミミッミ」(制作は「AC部」)などなど、オリジナルの要素を使いながらも、原作の空気を再現した「クソアニメ」(自称)を展開し続けている。また、テレビとAbemaTVなどのネット配信を同時に行う(通常はタイムラグが設けられる)、現代のアニメで一般的な、複数の企業が加わる製作委員会方式ではなく、キングレコードの単独製作を採るなど、そのアプローチにも注目が集まりつつある。

   Yahoo!リアルタイム検索のデータによれば、放送開始以降22日までのツイッターでの言及数は130万を超える。ニコニコ動画では第1話が22日時点で350万再生を稼ぎ出すなど記録的なヒットとなるなど、その勢いは継続しており、今期の「覇権」は揺るがなさそうだ。

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