関東甲信地方は2018年1月22日、「大雪」の予報だ。東京23区でも午前中から雪が降り始め、積もるところも出ている。
国土交通省は「不要不急の外出」を控えるよう発表しているが、実際のところ(これを書いている記者も含め)多くの社会人、学生は普段通り、通勤・通学する羽目となっている。「不要不急の外出」ってどこから? 仕事や学校は休めないの?
政府が「仕事禁止」にするべきか
大雪の予報を受けて国土交通省は21日、気象庁との連名で「大雪に対する国土交通省緊急発表」を行った。
22日昼ごろから23日朝にかけ、東京23区など普段雪の少ない平野部も含めて大雪になる可能性があるとして、
「不要不急の外出は控えるとともに、やむを得ず運転する場合には、チェーンの早めの装着等をお願いします」
と呼びかけている。
一方、都内では22日昼時点で、休業・休校などの措置を行う企業・教育機関は稀だ。社会人、学生の大部分は、雪やみぞれが舞う中、いつも通り通勤・通学の途に就いた。
ツイッターなどでは、
「不要不急の外出避けろっつってんだよ休めよジャパニーズ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!おかげで!!!!!!!!!!!!私も休めません!!!!!!!!!!!!転んだら責任とってくれよな!!!!!!!!!!!!」
「不要不急の外出を控えなければならないのなら、私の百均のバイトも休んで良いと思うんど。そんな切羽詰まって百均なんか来る人いないでしょ?休ませてくれ...!」
「学校とか就活とか不要不急の外出だろ帰らせろ」
といった悲鳴じみたつぶやきが殺到、中には、
「不要不急の外出は控えろとか抜かすんだったら法的効力を持った出勤禁止命令をしろよ、そうしないとただでさえ麻痺するであろう交通インフラに追討ちをかけることになるぞ」
「政府が不要不急の外出を控え~とか言ってる時は仕事禁止にすべき」
と訴える人もいる。
国交省に聞いてみたところ...
今回の発表を行った、国土交通省に尋ねることにした。
「不要不急の外出というのは、どこからなんでしょうか?」
水管理・国土保全局防災課災害対策室の担当者は、「やはり、人によって取り方は違ってくると思います」と説明する。
実際、「買い物」ひとつ取っても、「ちょっと控えよう」で済む人もいれば、状況などによっては「どうしても必要!」という人もいる。
「たとえば、『昔の友達と久しぶりに会う』というような話でしたら、それこそ来週にしていただいた方がいいと思いますが......。ただ、人によって違いはあるでしょうが、仕事や学校については基本的に必要なものだと思います」
その上で、どうしても外出しなくてはいけない場合には、車ならスタッドレスタイヤに替える、電車ならなるべく本降りになる前に帰る――そうしたことを呼びかけるために行っているのが、この「緊急発表」だという。
なお、緊急発表は国交省によるこの種の呼びかけとしては最も「強い」もので、年に数えるほどしか出されない(今年度に入っては初)。これより上となれば、自治体の首長による避難勧告クラスになってくる。
降雪は首都圏では帰宅時間帯にピークを迎えるとみられ、東京23区でも10センチの積雪が予想されている。「不要不急でない」外出を余儀なくされた方も、早めの帰宅が無難だ。