グーグルやアップルも「ライバル」に
車の使い方が変わろうとしている中、単に「車を作って売る」という従来のビジネスモデルだけでは生き残れない。豊田社長は「トヨタはもともと自動車ではなく自動織機の発明により創業した会社。祖父である豊田喜一郎は、織機を作ることから自動車を作ることを決意した。私はトヨタを、クルマ会社を超え、人々の様々な移動を助ける会社、モビリティ・カンパニーへと変革することを決意した」と力を込めた。さらに「私たちの競争相手はもはや自動車会社だけではなく、グーグルやアップル、フェイスブックのような会社もライバルになってくる」とも述べた。豊田社長がここまで踏み込んで改革の方向性を公言したことは、これまでなかった。
目指すのは、自動運転の車両を供給することだけではない。「様々なコネクティッドサービスに必要な、モビリティサービスプラットフォームをつくる会社になる」(豊田社長)ことだ。スマートフォンの世界に例えるなら、グーグルやアップルのようなOS(基本ソフト)を提供する会社になることを、トヨタはモビリティサービスの世界で目指している。ライバルがひしめく中、トヨタの野望がどこまで実現できるのか、注目されそうだ。