流行の起点は「深イイ話」!?
「子」の解釈は、比較的新しいらしい。記者も図書館に通い、辞書のほか、漢字に関する本を硬軟合わせていろいろ調べたが、この説を紹介しているものは上記の名づけ本のほかには見つからなかった。いったいどこから出てきたのか。
子が一と了に分解できる、というのは、それこそ子どもでもわかる。そこから、こうした「こじつけ」を思いついた人自体は、昔からいただろう。たとえば、パロディー百科事典サイト「アンサイクロペディア」には、「子の一字だけで始まりと終わりを意味しているのである」という(嘘の)解説がある。2007年12月に書き込まれたこの一節は、「子=はじめと終わり」説に言及した、ネットで見つかるものとしては比較的古い例の一つだ。
これが、子どもの「名づけ」とからめて語られるようになったのはいつからか。調べてみると、2008年11月にテレビ番組「人生が変わる1分間の深イイ話」(日本テレビ系)でこの説が紹介されたことがわかった。
当時の視聴者のブログなどを参照すると、
「明子さんは子どものころ、古いイメージのある『子』がつく名前が嫌だった。ある日、祖母に相談すると、子という字は一(=はじめ)と了(=終わり)、つまり生まれてから死ぬまでを表している。つまり明子という名前には、『一生明るい人間でいてほしい』という願いがこめられているのだ――と諭され、考えを改めた」
といった内容だったらしい。現在語られているものとほとんど同じストーリーであり、またネット上での「はじめから終わりまで」説も、ほとんどはこの放送以後のものということも考えると、この「深イイ話」が、現在の拡散の起点とみて良さそうだ。
しかし残念ながら10年近く前の放送のため、どのような根拠に基づいて紹介したのかは定かではない。