東証はフラれた? サウジからの「巨額IPO」の行方

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

復活に向けての起死回生策

   だが、熱烈なラブコールが届いているのかは微妙だ。報道によれば、サウジは国外の上場先候補をニューヨーク、ロンドン、香港の3か所に絞ったもよう。東証の劣勢について、市場では「日本語の開示資料の作成業務などがハードルになっているのではないか」といった見方が出ている。

   1980年代のバブル経済期、東証は世界中から資金を集め、海外企業の上場も100社以上に上った。しかし、その後の景気低迷で現在は1ケタまで落ち込んでいる。それだけに、アラムコの上場は復活に向けての起死回生策。今回の報道について、JPXは「(東証が落選したという)事実は把握していない」と平静を装うが、内心穏やかではないようだ。

   2017年から上昇基調が続く日経平均株価は、18年に入ってもバブル崩壊後の最高値を更新している。市場活況も追い風に、JPXは目標に掲げる「アジアで最も選ばれる取引所」の実現に向け、今後もアラムコを含めた海外企業の上場誘致に注力する方針だ。東証が再び世界的な資本市場として返り咲けるのか、JPXの手腕が問われる年になりそうだ。

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