SNS関連の内職トラブル、相談件数は年1000件以上
国民生活センターによれば、上記の例に限らず、なんらかの形でSNSを絡ませた「内職」についての相談件数は、2009年度の39件から、16年度には1028件と急増している。特にここ数年の伸びは「倍々ゲーム」だ。
具体的な事例としては、
「『写真を撮り、SNSにアップするだけで収入が増える』というインターネット広告を見て申し込んだところ、まず2万円分の情報商材の購入を求められた。決済したところ、追加コース(15万円など)も勧められた。忙しかったため申し込まなかったが、向こうからはその後、追加の説明などは来ないままだ」(九州北部・40代男性)
「副業についてネットで検索したところ、SNSに写真を投稿するビジネスを見つけた。『多くの企業と取り引きがある』などという動画での説明を見て信用し、参加費約20万円を支払った。さらに参加者3000人中1000人しか入れない『特別プラン』に約50万円を振り込んでしまったが、報酬は一切出ず。業者に連絡してもなかなかつながらず、つながっても返金に応じてもらえない」(南関東・40代女性)
「SNSで友達申請をしてきた人と会ったところ、ネットワークビジネスやフリマサイトでもうける方法を教えるといわれ、35万円のコンサルタント契約を結んでしまった。しかし教えられるのは、規約で禁止されている無在庫転売など。やめたいがどうすればいいか」(南関東・50代男性)
「稼げる」はずなのに、その前提として情報商材や高額塾、コンサル契約などの出費を強いられ、しかも期待したような収入は得られない、というケースが少なくないことがわかる。また、勧誘では副業や内職をうたっていても、実際にはマルチ商法などに誘導される場合も少なくなく、「被害」はまだまだ多い可能性もある。