閉鎖する不採算店の一部を「いきなり!ステーキ」フランチャイズ店に
大型ラーメンチェーンとしてハイデイ日高と競ってきた幸楽苑HDは、さらに深刻だ。幸楽苑のメニューは日高屋よりやや高い程度で、最安ラーメン「あっさり中華そば」が421円、「味噌ねぎらーめん」が529円、ギョーザ(6個)216円、生ビール(グラス)248円という具合だ。幸楽苑は2016年秋に異物混入事件を起こしており、なお信頼回復の途上でもある。そうしたハンデもあって日高の2017年2月期の売上高385億円に対し、幸楽苑の17年3月期の売上高378億円と、通期ベースで初めて日高に逆転を許した。幸楽苑は経費増が重なり、17年9月中間連結決算は営業、経常、最終の各損益がわずかながら赤字に転落。18年3月期通期でも最終損益は6億円の赤字の見通しだ。通期の最終赤字は初めて。
打開策として国内店舗の1割弱にあたる不採算の52店舗を閉鎖し、そのうち十数店は業態変更して「いきなり!ステーキ」として開店する。「いきなり!ステーキ」を運営するペッパーフードサービスと提携し、そのフランチャイズ店としての出店という異例の展開になる。「いきなり!ステーキ」は外食の中でも好調な肉がメインの店で、格安ラーメンに比べ、客単価が高く、採算がとれると判断したというが、果たして業態転換が功を奏するか、業界各社が注目している。