自宅と車内の連動性が保てるのは便利
アマゾンは、「あらゆるタッチポイントから消費を考えているので、ユーザーの行動と直結するカーテレマティクス(車両に通信機能を備えた車載器を搭載して提供するサービス)は非常に大きな意味を持つでしょう」と遠藤氏。移動データが手に入るのも同社にとって大きいとみる。一方ユーザーは、自宅で「エコー」などアレクサを搭載したAIスピーカーを使っていれば、居住空間と車内との連動性が保てる。
特に米国市場の場合、自宅に置くAIスピーカーでアマゾンが他社を先行している。1月17日付の日本経済新聞朝刊によると、シェアは7割を超え、「低価格の端末拡販でアマゾンの勢いは増す一方だ」。こうなると、「家で使い慣れたサービスを車内でも使いたい消費者は多い」というわけで、自動車メーカーもアレクサへの対応を急いでいるという。
アマゾンと競合するグーグルは、以前から「アンドロイドオート」という車載機器を提供しており、独フォルクスワーゲンや仏ルノー、米GM、ホンダといった大手メーカーの400以上のモデルに対応している。ただし、同社のAIシステム「グーグルアシスタント」への対応は、今年に入って発表したばかりだ。1月9日付の発表資料によると、米国を皮切りに順次対応を進めていくという。やや後手に回っている感があるが、巻き返せるだろうか。