日銀総裁人事、黒田続投への「地ならし」か 注目される1月の金融政策会合

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「候補者」が誰でも、金融政策の枠組みは「大きくは変わらない」

   では「黒田続投」がない場合、「ポスト黒田」は誰なのか――。予想される「候補者」も、すでに一部のメディアなどで取り沙汰されている。

   日銀からは、中曽宏副総裁や雨宮正佳理事の昇格。財務省の出身者では、駐スイス大使の本田悦朗氏が有力候補だが、丹呉泰健元財務次官や森信親金融庁長官、勝栄二郎元財務次官の名前も。学者・エコノミストでは、コロンビア大学教授の伊藤隆敏氏や岩田一政元日銀副総裁を予想する声が聞こえる。

   かつて、日銀総裁のポストは財務省(旧大蔵省)と日銀の「たすき掛け」、バランスを重視するのが慣例だった。日銀総裁と副総裁の人事は、政府が国会に人事案を提示して衆参両院で承認する手続きが必要だ。

   前総裁の白川方明氏(現・青山学院大国際政治経済学部特任教授)の時代は、白川総裁と山口廣秀副総裁がともに日銀出身だった。当時の「ねじれ国会」で参議院の第一党だった民主党が、政府が当初提示した「武藤敏郎総裁(財務省出身)、白川方明副総裁(日銀出身)、伊藤隆敏副総裁(学者)」の人事を否決。その後に提示した財務省出身の田波耕治総裁案も否決したため、白川副総裁が総裁に昇格した経緯がある。

   前出の藤代氏は、「当時と違い、政府案が否決されるようなことは、まずない」という。金融政策の観点からも、「黒田続投が最も望ましく、金融市場の安定に資することとなりそう。もっとも、黒田総裁ではなくとも金融政策の枠組みが大きく変わる可能性は低い」とみている。

   黒田総裁は2017年12月5日、7か月ぶりに安倍晋三首相と会談。その後、記者団に「(日銀総裁人事について)まったくお話はありませんでした」と話し、「続投要請があったら受けるのか」との質問にも明言を避けた。

   前回、黒田総裁の人事案の国会提示は2013年2月末だった。今回も、同じ時期に提示される見通しだ。

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