日銀総裁人事、黒田続投への「地ならし」か 注目される1月の金融政策会合

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   日本銀行の黒田東彦総裁の任期満了まで3か月を切った。

   「黒田バズーカ」といわれ、「異次元の金融緩和」「マイナス金利政策」を断行してきた剛腕で「アベノミクス」を支えてきただけに、2018年4月8日の任期切れを前に、否応なく次期総裁人事に注目が集まる。もちろん、「黒田続投」説も根強いが、誰が「大本命」なのかと、早くも予測が熱くなっている。

  • 日銀の次期総裁、「黒田続投」なのか?
    日銀の次期総裁、「黒田続投」なのか?
  • 日銀の次期総裁、「黒田続投」なのか?

3月に向けて「総括検証・第2弾」をアナウンスか

   日銀のトップ人事は、黒田東彦総裁が2018年4月8日、岩田規久男、中曽宏両副総裁が3月19日に任期満了を迎える。

   黒田総裁の後任人事をめぐっては、すでにエコノミストや市場関係者の間では数人の候補者の名前があがっており、第一生命経済研究所・経済調査部の主任エコノミスト、藤代宏一氏は、「早ければ1月22、23日に開かれる金融政策決定会合で動きがあるかもしれない」と、会合のゆくえに注目している。

   藤代氏は、「現在、官邸では次期総裁の選考を進められているところでしょう。水面下では候補者への打診も進んでいると思います」と話す。

   エコノミストの間では黒田総裁の続投を予想する声がとても多く、また、「アベノミクスのキーパーソンの一人である浜田宏一氏(内閣官房参与、米エール大名誉教授)が、黒田総裁の続投が望ましいとの見解を示しています」。それが黒田総裁の続投説が有力視されるゆえんだ。

   2017年10月の衆院選での自公圧勝で日本株が急騰したように、マーケットは「アベノミクス信任」「現行の金融緩和策の維持・継続」を強く支持している。エコノミストや市場関係者らは、こうした現状も「黒田続投」を後押ししていると受けとめている。

   1月22、23日の日銀の金融政策決定会合では、金融政策の現状維持が決定されるはず。藤代氏は「声明文の変更は見込まれず、景気判断の修正もごくわずかとみられます」という。

   注目しているのは、5年にわたる黒田体制の「最後の会合」となる次々回(3月8、9日)に向けての公表内容だ。「注意したいのは『総括検証の指示』が発表される可能性があることです。次期総裁が決まり、4月からの新体制で仕切り直しというのがメインシナリオではありますが、4月以降の政策運営に対する道筋をつけておくことを考えると、2016年9月の『総括検証』のような、『総括検証』の第2弾に向けたアナウンスを、1月にしておく可能性は否定できません。実際に、16年9月の総括検証では、その1回前の7月の会合時に『議長は執行部に指示』という記載が盛り込まれていましたから」と説明する。

   おそらく、総括検証では物価目標の再定義や長期国債の買い入れの持続性などについて検証される。となると、黒田政権の現状維持という意味合いで続投説が強まるとみられている。

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