家事評論家、生活評論家として活躍し、近年はシニアライフについてのエッセイでも大人気の吉沢久子さんが2018年1月21日で100歳。
アラハン(100歳前後)でも本を出す元気な人が増えているが、吉沢さんは代表格。来月の出版予定も含めると、この1年間で著書が10冊にもなる。
今年も2月までに3冊
吉沢さんは1918年、東京生まれ。文化学院卒業。15歳から働き始め、事務員、速記者、秘書などを経て、文芸評論家の古谷綱武さんと結婚した。のち死別し、60代半ばすぎから一人暮らしを続けている。
若いときから食生活や共稼ぎ、女性の生き方などについてのエッセイを書き、家事評論家、生活評論家として引っ張りだこに。これまでの著書は100冊を超えている。新聞や雑誌での連載も多く、近年はシニアライフについての単行本がめだっている。
とりわけ昨年は2月の『人生のぜいたく』(主婦の友社)』から10月の『100歳の生きじたく』(さくら舎 )、11月の『100歳まで生きる手抜き論』(幻冬舎新書)』まで7冊も出した。今年も1月の『春夏秋冬 しあわせを呼ぶ生き方』(海竜社)、2月の『明日も前へ 何があってもクヨクヨしない生き方』(PHP研究所)、『今日を悔いなく幸せに』(中央公論新社)と、出版が続く予定だ。
今や高齢者の希望の星
去年は佐藤愛子さんの『九十歳。何がめでたい』がミリオンセラーになるなど、出版界では高齢女性の本が話題だ。吉沢さんの近年の著作も、合計すればミリオンセラーになっているとみられる。
初めて入院したのは97歳の時というから、元々かなり丈夫だったようだ。半世紀にわたって新潟日報に連載していた「家事レポート」は、このところ体調を理由に休載しているが、昨夏には同紙のインタビューに登場している。
齢を取ると、自分より少し年長の元気な人が、生きる目印になるという。日本の100歳以上の人は約6万人。これからどんどん増える。昨年105歳で亡くなった日野原重明医師と同じように、吉沢さんも今や高齢者、とりわけ「一人暮らし」の人たちの希望の星になっている。