県外に羽ばたいた卒業生もいる「さぬきうどん科」
自治体が提供する、求職者向けの職業訓練の内容は多岐にわたるが、基本的には介護、農業、パソコン操作などが全国的に主流になっている。
そのため、香川県で受けられるうどんという特定の食品に特化した「さぬきうどん科」は珍しいケースと言える。
香川県立の高等技術学校高松校舎の担当者は、J-CASTニュースの1月17日の取材に対し、
「県内就職を希望する人材の育成のために、2000年ごろに始まりました」
と、その経緯を話し、
「『自分の店を出したい』という方を中心に、昔は定員の2倍、3倍の応募が集まることもありました」
と、その需要についても触れた。
地元のうどん屋や企業への委託で行われる訓練内容には、うどん打ち経営についてまで含まれているという。提出された計画書をもとに、複数の企業から委託先が選ばれるが、近年は地元の製麺機メーカー「さぬき麺機」になっているといい、手打ちだけでなく機械を使ったうどん作りも学ぶことで、様々なサイズの店舗に対応できる訓練内容になっているという。
実際に、県内外で店を構える卒業生もいるのだという。
しかし、近年はかつてほどの応募数は無く、定員ギリギリの人数になることが多いといい、担当者は
「もっと多くの人に来てほしい」
とも語っていた。
一方、埼玉県立職業能力開発センターが参加者を募集している「求職者向け職業訓練」(18年3月開講分)の資料をみると、12講座が記載されているが、「うどんコース」に類するものは見当たらない。