「NHKニュース」のツイッターアカウントは、24時間ニュースを投稿しており、フォロワー数は244万人を超える。通常は見出しのような短めの文とともに、ウェブサイトに掲載されたニュース記事に誘導するスタイルだ。
いつもはまじめで淡々としたツイートだが、来月開幕する平昌冬季五輪の記事紹介の投稿は一味違った。いわゆるネットスラングとして知られる「ンゴ」が語尾に付けられていたのだ。
「NHKどうしたンゴ」
「ピョンチャン五輪の開会式まで、あと22日しかないンゴ」
NHKニュースのアカウントで、2018年1月18日朝のツイートが目を引いた。「盛り上がってない!? ピョンチャン五輪」という記事を紹介するためのつぶやきだ。前後の投稿を見ると、「ネタニヤフ首相『米大使館移転は年内』 米大統領は否定」、「救急出動体制 都がAI活用の新システム整備へ」といつものスタイルだけに、余計に目立つ。
「ンゴ」の発祥は、ネット掲示板「2ちゃんねる」(現・5ちゃんねる)。かつてプロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスでクローザーを任されたドミンゴ・グスマン投手が開幕2戦連続で打ち込まれ、救援の役目を果たせなかったことが語源で、失敗したりうまくいかなかったりする際に使われることが多い。昨年は大学生の間で「ンゴ」がはやっていると情報番組で取り上げられもした。ただこの流行は、本来の意味というよりは学生が「ノリ」で使っているようだった。
ツイッターのユーザーは、この投稿を目ざとく見つけた。「NHKどうしたンゴ」「天下のNHKがンゴ。を使うなら、ンゴ。は広辞苑に載せるべき」「NHK公式も随分と砕けてきたンゴ」といった感想だ。大半は「あのNHKが」と驚いたり、おもしろがったりしている。
「盛り上がってない!? ピョンチャン五輪」の記事を紹介するツイートは、「ンゴ」投稿からさかのぼること14時間、1月17日の18時26分にもあった。この時も、
「あと23日しかないねん、ピョンチャン五輪の開会式まで。ほんま、もうすぐやで。もう始まるんやで」
と、いつもと違う言い回しだった。
NHK広報局「ツイートの内容については...」
ネット上で話題となった「ンゴ」投稿。J-CASTニュースはNHK広報局に、ツイートの意図を取材した。なぜ特定の記事紹介のときだけ「ンゴ」という言葉を使ったのか、NHKニュースのツイッターアカウントの運用において、担当者は裁量の自由度が高いのか、また「アカウントが一時的に乗っ取られた」という可能性はあるか、などを質問した。
NHK広報局は18日夕、ファクスで回答した。そこには、こう書かれていた。
「ツイートの内容については、幅広い世代の方に関心を持っていただけるよう、ニュースや話題に応じて個別に検討しています」