大相撲の横綱・稀勢の里が2018年初場所4日目で3敗目を喫した。
横綱で黒星先行という厳しい状況だが、集まったのは批判よりも同情の声だった。
「出てきては休み...どんどん自信が失われていく」
初場所4日目の1月17日、稀勢の里は前頭2枚目・琴奨菊との一番。立ち合いで左を差したが、簡単に琴奨菊におっつけられ、突き落とされた。前日からの連敗となった。
NHKの中継で解説を務めた鏡山親方は「厳しいですよね、1勝3敗ですから、気持ち的にも切れないといいんですけど」と心配し、実況の大坂敏久アナウンサーは「考えなければいけないことが出てくるかもしれない、という」とこぼした。鏡山親方は「そんなことを考えるのはいけないことなんですけどね。表情見ても...ねえ、まあ、立て直すように頑張って欲しいですけど」と返し、「何場所もずっとこういう状況が続いていますからね。出てきては休み...どんどん自信が失われていく」と慮った。進退について話しているのは明白だ。
転がされた稀勢の里は、左拳と左膝を土俵につき、下を向いて一呼吸置いてから立ち上がった。白鵬の結びの一番を見るため土俵下に残った。
一瞬の取り組みだった稀勢の里は、軽く呼吸を整えると暗い表情を見せた。唇を真一文字に結び、うつむいた。どこか目線は覚束ない様子で、一度深く息を吐いたが、目は変わらず虚ろだった。